「『ドボジョ』ブーム、早く終わらないかな」--。ゼネコンに勤めるある女性土木技術者がそう漏らしていた。建設業界は空前のドボジョブーム。入社当初から貴重な女性技術者として扱われ社内外のメディアに登場してきた。建設業界の発展のためにと理解していても、仕事を抜けて取材に応じる自分を同期の男性社員がどう思っているのか、気になってしまうという◆女性技術者の積極登用をうたうある地場ゼネコンから案内のあった現場見学会。事前に資料を読んでいておや?と思った。少なくとも過去に3回、別の大規模現場の取材で見掛けた女性の名前を見つけたからだ◆彼女はメディアに取り上げられる現場から現場に、数カ月の短期間で異動していたことが分かった。はたから見ればさまざまな現場で多くの女性技術者が活躍しているように見える。それが女性技術者「積極登用」のからくりかと思うと、複雑な気持ちになった◆別のゼネコンの社長は「世の中はもうLGBT(性的少数者)への対応にまでシフトしている」と指摘する。女性更衣室の設置や女性技術者の登用などに力を注ぐ建設業。世の中の動きとのギャップに危機感を募らせる◆建設業界の女性活躍はまだ過渡期にある。男女関係なく働きやすい環境が整う時こそ、ドボジョブームが終わるのだろう (ゆ)
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