2015年6月30日火曜日

【回転窓】山も工事も安全第一で

北アルプスの杓子岳・白馬鑓ケ岳(左から) 写真撮影=M.S
きょうで6月は終わり。列島各地は梅雨のさなかですっきりしない空模様だが、本格的な夏空も間近である。あす7月1日は、富士山をはじめ多くの山が山開きを迎えることだろう▼山開きとは本来、特定の日に一般人に入山や登山を認めること。山岳信仰が盛んだった時代に、普段は修験者や僧以外に立ち入りが許されない神聖な霊山を、日を決めて俗人に開放することだったという▼現代の山開きはこれとはだいぶ意味が違う。山小屋や登山口までの交通機関が本格的に営業を始め、気候も安定して一年のうちでも最も快適に登山ができるようになる日とでもいったらよいだろうか。いよいよ夏山シーズン本番というわけだが、ここは要注意▼警察庁が先日発表した昨年の山岳遭難は全国で2293件、遭難者は2794人に上った。件数、人数とも3年連続で増え、統計が残る1961年以降では最多。死者・行方不明者は計311人で過去3位だった。ちなみに御嶽山噴火による死者・不明者計63人は自然災害なのでこの数字には含まれていないそうだ▼あすからはまた全国安全週間。山も工事も安全第一で。

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