2015年6月8日月曜日

【回転窓】おいしい生卵を輸出するには

 画家の池田満寿夫は、半熟の目玉焼きをご飯にのせ、ソースを掛けてぐちゃぐちゃに混ぜたものを「コロンブスの卵丼」と名付けて周囲によくふるまったという(『男の手料理』中央公論新社刊)▼鶏卵は日本人にとっては最も身近で手ごろな食材だろう。先日、ある穀物飼料会社の社長と話をしていて驚いたことがある。鶏卵を生で食べるのは日本人ぐらいで、全世界を見渡しても珍しいというのだ▼欧米諸国では日本と同様に殺菌処理がされているため、生でも食べられるようだが、実際に生で食べる食習慣はほとんどない。東南アジア諸国は殺菌処理が不十分で、火を通した卵料理が一般的。このため、在留邦人向けに日本から生卵が輸出されているという▼その社長いわく。工場見学に来た中国人に卵かけご飯をごちそうしたら、おいしいといって食べたのを見て、もっと日本のおいしい鶏卵を輸出できるのではないか、と▼鶏卵は鮮度が命。輸出を増やすには、生産地から安価で迅速に輸出できるインフラ整備が必要となる。「卵が先か鶏が先か」で言えば、輸出にはインフラ整備が先でなくてはならない。


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