3D空間位置データのリアルタイム表示例 |
三菱電機は23日、測量調査などの際の車両走行中に、3次元空間位置データをリアルタイムで作成できる「リアルタイムレーザー点群生成技術」を開発したと発表した。保有技術の高精度GPS(衛星利用測位システム)移動計測システム「モービルマッピングシステム(MMS)」を活用。計測後に必要だったデータ処理を行わずに、その場で3次元空間位置データを作れるようにした。今後、測量に加え災害対策、警備・監視など多分野への展開を目指し製品化を進める。
◇現場で3次元位置データ作成◇
MMSは、GPSアンテナやレーザースキャナー、カメラなどの機器を車両に搭載し、走行しながら道路周辺の計測データを取得するシステム。測量や路面調査、トンネルの調査点検などに活用されてきたが、3次元空間位置データを作成する際は、取得データをGPS位置補正情報と組み合わせる事後処理が必要で、計測結果を現場ですぐに確認できない点が課題だった。
そこで同社は、リアルタイムでデータを作成できるリアルタイムレーザー点群生成技術をMMSに付加し、計測結果を現場で確認できるようにした。事後処理にかかっていた8時間程度の作業を省くことができ、測量業務の効率化が実現する。災害時には、被害状況を即座に判断することで救助・復旧活動の早期展開を支援することもできる。計測結果は、無線により遠隔地での同時モニタリングが可能だ。
短時間での計測データ比較を利用し、イベント会場での不審物の早期発見など警備・監視分野での活用も期待。新たな分野でのニーズ獲得に向けて、順次製品化を進めていく方針だ。
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