日本の都市は高齢者や障害者にとって優しい街並みになっているのか。各種施設のユニバーサルデザインを手掛けるコンサルティング会社の社長に聞いてみた▼意外なことに日本は合格点だそうだ。例えば、駅にはエレベーターやエスカレーター、視覚障害者の歩行を助ける点字ブロックが整備され、各分野で必要とされる事業が進んでいるとの意味だ▼ただし、課題や改善点がないわけではない。今は高齢者らが使用できる環境が整ってきただけで、使いやすさを追求するまでには至っていないと苦言も呈していた▼東日本大震災では津波から逃げ遅れた高齢者や障害者が命を落とした。逃げ切れる環境が整っていなかったからだという。被災地では同じ過ちを繰り返さないよう、誰もが安心して暮らせるまちづくりが進む▼2020年東京五輪に向けて街並み整備が進む東京は果たしてどうだろう。五輪に間に合わせようと、つくることばかりに専心してはいまいか。海外から訪れる高齢者や障害者が優しいと感じてくれる街並みが究極の「おもてなし」。インフラ整備に携わる人はそれを忘れないようにしたい。
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