◇出向で奮闘、建設業の魅力知る◇
国土交通省に2年間勤務し、6月1日付で後ろ髪を引かれるように古巣の経済産業省へ戻った。 国交省では、土地・建設産業局建設市場整備課労働資材対策室の労働係長として、主に技能労働者育成に関連する施策を担当した。業界の会合に出席する機会も多く、持ち前のキャラクターで場を明るくすることもしばしば。だが、出向当初は「建設業の勝手が分からず、なじめないことに悩んだ」と振り返る。 13年7月に太田昭宏国交相が、初めて富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)を視察。そのための事務や調整を託された。悩む暇もなく、仕事に没頭した。視察を終えた太田国交相は、センターの機能を拡充する方針を表明。老朽化した施設の建て替え計画が大きく動きだすきっかけになったことが特に印象深いという。 9月16日に予定されている建て替え工事の起工式には出席できそうにないが、「施設が新しく生まれ変わるのは今から楽しみ」と笑顔を見せる。 経産省に戻る内示があった後、ある専門工事業団体のパーティーで「中締めのあいさつ」という大役を任されたのも、業界の発展に心を尽くした証しだ。「建設の『け』の字も知らなかった自分を受け入れてくれた建設業界の魅力を知るにつれ、『皆さんに笑顔でいてほしい』と心底思えるようになった」。(かまた・いづみ)
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