7月1日に始まる全国安全週間に向けて建設業界ではこの時期、安全大会の開催が相次ぐ。本紙も連日、ほぼすべてのページに各社の安全大会開催を伝える記事が載り、「死亡災害ゼロ目指す」「初心に帰ってゼロ災継続」といった見出しが躍る▼労働災害の発生件数が工事需要の増減と相関関係にあることは、過去の統計を見ても明らか。09年以降、死傷者数は横ばい状態が続いていたが、震災復興や景気回復による需要増が鮮明になった昨年からは増加傾向に転じている▼数多く掲載される安全大会の記事の一つに目が留まった。22日付5面にあった小俣組(横浜市南区、小俣務社長)の記事。同社は大正11(1922)年の創業以来、死亡事故ゼロを続けているという。東京五輪後にやってくる100周年を死亡ゼロで迎えることを当面の目標に掲げる▼「安全第一」という言葉が生まれたのは20世紀初頭の米国。ある鉄鋼メーカーが掲げた経営方針は、結果的に働きやすい職場と効率的な人材育成につながった▼安全の追求は決して特別なことではない。小俣組の記事に、この言葉の重みをあらためて感じた。
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