2015年6月11日木曜日

【20年東京五輪】26競技の会場、IOCが見直し後の計画承認

 

レスリングなど3競技が開催される幕張メッセ
国際展示場の大規模改修が計画されている
 ◇幕張メッセ、改修急ぐ◇

 2020年東京五輪の会場計画のうち、実施が固まっている28競技のうち26競技で使用する施設が決まった。8日にスイスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の理事会が、見直しなどが検討されていた10競技のうち、8競技の会場計画を承認。自転車(トラック種目など)については引き続き見直しの方向で調整を進める。サッカーも新国立競技場など承認済みの6会場に加え、今後追加される可能性がある。
 競技会場が都内から神奈川県に変更されたセーリングは、当初の東京都江東区から、1964年東京五輪の時と同じく藤沢市江の島で行われる。相模湾に面する江の島の東側に位置する「湘南港」(通称・江ノ島ヨットハーバー)が競技会場となる。県が所有する施設で、ヨットハーバーの規模はヨット保管地面積2・8万平方メートル、ヨット泊地面積2・9万平方メートル。
 五輪会場に選ばれたことに伴う施設整備は未定。施設の改修・整備などについて、神奈川県の担当者は「20年に向けて何が必要か現段階では分からず、関係者らと調整しながら今後決めていく」と説明。黒岩祐治知事は「都や五輪の組織委員会、藤沢市、県セーリング連盟などと連携し、最高の大会となるよう全力を尽くす」とのコメントを出した。

 ◇セーリング会場は江ノ島ヨットハーバーに◇

 フェンシング、テコンドー、レスリングの競技会場は、江東区の東京ビッグサイトから千葉市美浜区の複合コンベンション施設「幕張メッセ」に変更された。幕張メッセは国際展示場のほか、国際会議場、イベントホールで構成され、89年に開場した。
 施設の機能強化を図るため、千葉県は五輪会場としての利用が決まる前から、幕張メッセ国際展示場の大規模改修の検討を進めている。改修工事の対象は県所有の国際展示場1~11ホール。1~8ホールは地下1階地上4階建て延べ9万9106平方メートルの規模。清水建設・鹿島・竹中工務店・飛島建設・三井建設(現三井住友建設)JVが工事を行った。同9~11ホールは2階建て延べ3万7190平方メートルの規模で、清水建設・大林組・三井建設JVが施工を担当した。
 森田健作知事は9日の記者会見で「3競技を実施することによる経済効果や幕張の世界へのPR効果は大変なものだ。一生懸命、ベストを尽くし恥じないように頑張る」と決意を表明。幕張メッセの改修事業については、競争力を強化・維持するための当初計画に加え、五輪仕様の改修にも柔軟に対応する考えを示した。
 競技会場の見直しは、昨年12月のIOC総会で承認された五輪改革「アジェンダ2020」に沿って実施。大会組織委員会によると、全体で約2100億円の経費削減が見込まれる。
 東京の競技会場のうち、都が整備する恒久施設は8施設(うち改修1施設)。着工済みの「武蔵野の森総合スポーツ施設」(近代五種)に続き、他施設も設計作業を進める。

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