ネパール大地震の復興支援に日本技術と経験が生かされる |
4月25日にネパールの首都カトマンズの北西約77キロ(ゴルカ郡)を震源とする大地震が発生し、周辺都市・地域に壊滅的な被害を与えた。死者は8000人を超え、家屋被害も全壊が約50万戸、半壊が約27万戸に上るとされる。
特に被害が大きく、激震地に指定された14郡の総人口はネパール全体の約20%を占め、重大な被害を受けた公共施設や個人住宅は9割を超える。地滑り箇所は約3300カ所以上(チベット側を含む)に上り、多くの道路や橋梁も被災した。
JICAが開始する支援事業の調査業務は「ネパール地震復旧・復興プロジェクト(開発計画調査型技術協力)」。人道支援から復旧・復興に向けた支援を円滑に行うため、日本の災害経験と復興に関わる教訓を参考にしながら、被災地域の復旧・復興計画の策定や耐震性の高い建築物・構造物の普及促進などに取り組む。
現地で行う優先的な復旧事業は同プロジェクトの中で早期に実施する。別案件として発注する復旧・復興事業については無償・有償資金協力による支援を想定し、資金協力案件の早期形成や技術的支援(設計、積算など)も並行して進める。
今回発注する調査案件の主な業務内容は▽今後想定される地震災害の設定とリスクアセスメント▽カトマンズ盆地強靱(きょうじん)化計画の策定▽地方郡の復旧・復興グランドデザインの策定▽各種計画の実施に向けた組織能力開発支援▽住宅・学校や道路橋梁などインフラ構造物の耐震基準の見直し検討▽耐震建築ガイドラインの作成と普及に向けた補助制度・メカニズムの検討▽耐震住宅・学校建設のための人材育成(カリキュラム・教材策定、研修実施など)▽優先復興事業計画の抽出と設計・積算(概算レベル)▽優先緊急復旧事業の形成・実施-など。
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