特殊な工法を採用した中央館5階レベルの解体現場。ほぼ解体は終えた |
東京急行電鉄は8月29日、東京・渋谷駅の再開発計画に伴って解体工事が行われている東急百貨店東横店の東館・中央館の工事現場を報道陣に公開した。三つの鉄道路線、二つの歩行者通路が交わり、地下に渋谷川が流れる立地の特性から「日本一難しい解体工事」(東急電鉄現場担当者)とされる現場で、周辺環境に影響を与えないように慎重を期して工事が進んでいる。
東館・中央館は東横線の旧渋谷駅と直結した店舗で、7階建ての東1~3号館と、東館2号館と西館の間の5~7階レベルに建てられた中央館の4棟で構成する。東2号館の内部には東京メトロ銀座線が貫通し、中央館の直下にはJR線と銀座線の線路がある。解体工事の施工は東急建設・鹿島・清水建設・鉄建JVが担当。13年3月に着工し、現在の進ちょく率は60%程度。17年3月の工事完了を目指している。
現在は中央館の解体工事中。直下のJR線と銀座線の運行に支障を出さないように夜間の短時間作業で解体を進めている。最後に残った5階レベルの解体に当たっては、解体中に建物が崩れるのを防ぐため、国内でも前例が無い特殊な解体方法を採用。斜張橋の技術を応用し、両側の東2号館と西館からケーブルを張って梁や柱を支えながら、それらを徐々に取り除いている。
今後、最後に残った東2号館の解体を行う。同館の3階部分がそのまま銀座線の線路となっているため、建物から線路を切り離す線路の仮受け工事を行った上で、本格的な解体工事に入る。
解体完了後は、跡地に駅前広場などが整備される予定だ。
同日には、東急電鉄らが参加する渋谷駅前エリアマネジメント協議会の主催で、親子を対象とした「未来のシブヤ発見ツアー」が開かれた。東館・中央館の解体工事現場の見学会などが行われた。
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