◇技術学び、日中の懸け橋に◇
「日本のように住みやすい街をつくりたい」と22歳の時に来日。日本の大学で構造設計を専攻し、博士課程を修了後に三菱地所設計に入社した。
入社当時を「技術的なことは理解できても相手の心をつかんだり、自分の思いを伝えたりするのが難しかった」と振り返る。先輩や同僚のプレゼンテーションからより分かりやすい表現を学んだ。その後、オフィスビルや商業施設、図書館などさまざまなプロジェクトに携わり、竣工した時は「中国の家族にも見てほしい」と喜びが込み上げてくると語る。
昨年からは海外プロジェクト室に異動し、中国の営業担当としてさらに活動の幅を広げている。「ただの通訳ではなく、日中両方の文化や制度に精通しているという長所を生かしたい」と意気込む。既に複数のプロジェクトを手掛けている。
中国でも「丸の内エリア」に対する評価は高く、100年以上という長い年月をかけて建物や街、駅を一体的に開発してきた技術に注目が集まっているという。ある海外の開発業者が来日した際に丸の内の街並みにほれ込み、プロジェクトの途中からエリアデザインに参画したこともあるという。
今年で来日23年目。「日本の設計技術や街づくりを学び、母国に貢献するという長年の夢をかなえることができてとても幸せ。今後も日中の懸け橋としてさらにまい進していきたい」。
(りん・りん、中国出身)
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