新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、14年度の「風力発電設備導入実績」をまとめた。15年3月末時点の風力発電設備導入量は、総設備容量で合計293万キロワット、設置基数で2034基。前年度実績に対し設備容量は8・4%増加し、設置基数は102基増となった。都道府県の設置基数は北海道の289基が最多。04年度に93万キロワットだった設備容量は、10年間で3倍以上の規模になっている。
導入実績は、「単機出力10キロワット以上で系統連携している」すべての風力発電設備を対象に集計している。
設備容量と設置基数を年度ごとに見ると、▽10年度=29万キロワット、152基▽11年度=9万キロワット、52基▽12年度=8万キロワット、48基▽13年度=6万キロワット、33基▽14年度=23万キロワット、113基|と推移。設置基数が100を超えたのは、10年度(152基)以来となる。
14年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」で、政府は再生可能エネルギーの導入加速を目標の一つに掲げた。風力発電は、設備導入を後押しするため、環境影響評価(環境アセス)の迅速化や規制の合理化を進める方針が打ち出された。陸上に比べ風況が有利で大型設備の設置が可能な洋上風力発電も全国で実証実験が進み、官民共同の技術開発や性能評価が行われている。
一方、海外の動向は世界風力会議(GWEC)がまとめた統計によると、14年の世界の風力発電設備容量(暦年ベース)は累計36万9597メガワットとなり、13年実績と比べ5万0953メガワット、率にして16・0%の増加となった。
1位は中国の11万4609メガワット、2位は米国の6万5879メガワット、3位はドイツの3万9165メガワット。日本は19位(2789メガワット)で、世界の導入量に占める割合はわずか0・8%にとどまっている。電力の需要や価格、関連法制が異なり単純比較はできないものの、日本の風力発電市場は世界と比べ、極めて規模が小さいことが分かる。
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