2015年9月17日木曜日

【回転窓】空き家の活用に期待

 子どものころ、「秘密基地」で遊んだ記憶をお持ちの方は多かろう。空き家などに勝手に入り込み、放課後に集まる。ちょっとした冒険のような気分を味わうことができた▼不法侵入になることや危険性を考えると昔のようにはいかないのだろう。とはいえ、人口減少で都市の「隙間」は確実に増えている。地方創生が叫ばれる中、空き家を移住促進の受け皿に活用しようという動きも進む▼空き家が増えると、倒壊の恐れや犯罪などトラブルの発生が懸念される。新しい人を呼び込めれば、そうしたマイナスをプラスにできる。宮城県川崎町では、有効活用できる空き家を探そうと新たな取り組みを始めた▼町が把握していない空き家情報を伝えれば、商品券を交付するという。空き家のことは住んでいる人が一番知っているはず-。そんなアイデアが出発点という。残念ながら情報提供はまだゼロだが、地域住民が空き家に目を向けるきっかけになるかもしれない▼秘密基地とはいかないだろうが、観光交流や地域活動の拠点などに使う手もある。空き家イコール負の遺産というレッテルの払しょくを期待したい。


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