戸田建設が長崎県五島沖で実証実験中の浮体式洋上風力発電 |
創設するのは「低炭素型浮体式洋上風力発電低コスト化・普及促進事業」。水深が50メートル以上ある沖合に浮体式の風力発電施設を設置するための低コスト工法の開発を目指す。18年度まで3カ年の事業とし、民間グループによる技術開発費の3分の2を補助する。16年度予算の概算要求に20億円を新規計上した。
環境省によると、大型の浮体式洋上風力発電施設の商用化で先行している欧米では、沖合への大型浮体式風車の設置に特化した特殊な作業船で施工する手法が一般的という。一方、実績のない日本では、専用作業船を保有している会社がないため、欧米の企業から作業船をレンタルする必要があり、運搬コストが余分にかかるなどして普及の足かせになっている。
そこで環境省は、多くのマリコンなどが保有している日本製のクレーン台船で大型の浮体式風車を設置できるようにする施工手法の開発を始めることにした。クレーン台船は海底通信ケーブルの敷設など洋上工事全般で使われているが、大型の浮体式風車の設置で活用された実績はほとんどないため、必要な性能や安全対策などを探る。
環境省によると、国内では太陽光と並ぶ有望な再生可能エネルギーの風力発電のうち、陸上風力発電の賦存量が14億キロワットなのに対し、洋上風力発電は77億キロワットに上る。
洋上風力発電の導入では、国土交通省が沖合よりコストや災害リスクを軽減できる港湾区域での設置を促進。16年度予算概算要求で港湾区域での着床式風車の設置を促す指針作りの経費を新規計上した。経済産業省は16年度も福島県や北九州市などの沖合で浮体式風車・着床式風車の両方の実証を継続する。
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