仙台市で先月、大相撲の地方巡業が行われた。仙台場所は実に7年ぶり。東日本大震災後では初めてとあって、7000人が詰め掛ける満員御礼となった▼どれほど待ちわびたのか、会場には朝8時の開場前から長蛇の列が。中でも目立ったのは、高齢の相撲ファンの姿だ。取組が始まるまでにかなりの時間があったが、朝の稽古風景を見ることができ、相撲部屋のちゃんこ販売も。力士が気軽に写真撮影やサインに応じてくれ、彼らと間近に触れ合えるのも地方巡業ならではの楽しみだろう▼ちびっ子相撲では、人気力士に向かっていく地元の子どもたちに会場から声援が飛んだ。ユーモアたっぷりに禁じ手を紹介する初切しょっきりでは、大きな笑いと拍手が起こった。化粧まわしを着けた力士の相撲甚句に聞き入る場面も▼仙台場所は復興支援として開催された。震災直後から復旧・復興に尽力してきた宮城県建設業協会が特別協賛し、地域を元気付けようと協力を惜しまなかった▼あの日からさまざまな思いを抱え、生きてきたであろう一人一人の心からの笑顔に、人々を引き付ける大相撲の力と被災地の復興を感じた。
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