2015年9月11日金曜日

【100年メンテフリー】新日鉄住金の耐候性橋梁用高降伏点鋼材が初採用


 新日鉄住金が開発した耐候性仕様の橋梁用高降伏点鋼材「SBHS500W」が、奈良県十津川村に8月に完成した沼田原橋=写真=で初採用された。一般的に使用されている圧延鋼材と比較して、高強度・高じん性を持つ高降伏点鋼板に、さびを防ぐ耐候性を施したのが特徴。無塗装でさびを防ぎ、100年程度メンテナンス不要のため、ランニングコストの削減に貢献する。今回、降伏強度の違う「SBHS400W」と合わせて30トンが使われた。

 沼田原橋は全長57メートルの方杖ラーメン箱桁橋で、太平洋から約45キロ離れた場所にある。同社によると、海から離れた地域の鋼橋でも20~30年に一度はさびに対するメンテナンスを行う必要があるという。今回、降伏強度が従来鋼より10~20%高く、軽量化を図れる点と、メンテナンス性の良さが評価されて採用に至った。施工は瀧上工業が担当した。

 新日鉄住金の橋梁用高降伏点鋼材は、06年に東京ゲートブリッジに採用されて以降、採用実績は11件、出荷数量は2・2万トンとなっている。今後は、通常仕様と耐候性仕様の高降伏点鋼材をケースによって使い分けながら、実績を積み上げていきたい考えだ。

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