フランク・ゲイリー氏設計の「プロスペクトプレース」完成イメージ |
英国の不動産開発会社、バタシーパワーステーションデベロップメント社(BPSDC)は、フランスの建設大手ブイグの英国法人(ブイグUK)をバタシー発電所再開発第3期開発の設計・施工契約候補者に選んだ。契約額は10億ポンド(約1850億円)を超え、英国で過去最大規模の建設工事契約になる。16年初めに着工する。
西側の第1期開発(住宅・オフィス)、発電所を複合施設に改修する第2期開発は現在工事が進んでいる。第3期開発は、地下鉄新駅に近い敷地の南側に位置し、プロジェクトの玄関口にあたるエリアが対象。総戸数1300戸の集合住宅2棟と、店舗やレストランが並ぶ250メートルの遊歩道が整備される。
ノーマン・フォスター氏が設計した「バタシー・ルーフ・ガーデンズ」の完成イメージ |
新駅と発電所のある敷地中心部を結ぶ遊歩道「エレクトリック通り」の西側にはノーマン・フォスター氏が設計した「バタシールーフガーデンズ」を建設する。住宅やホテルのほか、屋上にはロンドン最大の屋上庭園ができる。東側の「プロスペクトプレース」は、フランク・ゲーリー氏の設計。彫刻作品のようなファサードが印象的な5棟の建物と、コミュニティーセンターや子供向け公園を建設する。
BPSDCのロブ・ティンクネルCEOは、「3期工事の施工者が決まり、プロジェクトは大きなマイルストーンを迎えた。着工すると、工事中のエリアは500万平方フィートに拡大する」とコメントした。
ブイグUKは、16年第一四半期に3期エリアの北半分で工事を始め、19年に完成させる。南側エリアは18年に着工し、地下鉄延伸工事の完了に合わせて20年の完成を目指す。
プロジェクトの1期工事は13年7月にスタート。発電所建物は19年に開業する。全体完了は2025年の予定。
【バタシー発電所跡地開発】
再開発事業の全体完成イメージ。 発電所のシンボルである4本の煙突やアールデコ調の外観を維持しながら商業施設や住宅が入る建物に生まれ変わる |
英ロンドンの中心部にあり、1983年に運転を停止した発電所跡地で進む同国史上最大規模の再開発プロジェクト。老朽化した発電所の施設を修復して複合施設として再生するとともに、その周辺に4000戸の住宅や三つのホテル、総延べ26万平方メートルのオフィスビルなどを建設する。13年夏に第1期工事に着手し、16~25年にかかて段階的に各施設・建物を開業していく。
開発主体はマレーシアの政府系不動産会社などで、事業進行はBPSDCが担当。マスタープランを建築家のラファエル・ヴィニオリ氏が手掛け、各建物の設計にも世界的に著名な建築家を起用している。全体が完成すれば個性的な外観の建物が調和して配置された、〝現代建築の見本市〟 ともいえる街になる。
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