2015年9月4日金曜日

【回転窓】人口減少下の生産改革

 経済予測、天気予報、渋滞予測…。世の中に存在するさまざまな予測や予報。的中することもあれば、全くの的外れになることもある中で、必ず当たるものがある。それは人口予測。なぜなら、将来の人口は過去と現在の出生率の結果であるからだ。従って、日本の人口はこれから減少が避けられないと断言できる▼国土交通省が、建設分野の生産性向上に本格的に取り組み始めている。人口減少を好機と捉え、建設現場の仕事の進め方を「抜本的にギアチェンジする」(幹部)という。ピンチをチャンスに変える発想である▼人口減少は随分前から分かっていたが、数年前までは建設投資の縮小が長引く中、生産改革を本格的に論じることははばかられた。生産性を高めるほど仕事がなくなる状況を生む可能性があるためだ▼近年は公共事業費が微増・横ばいで推移している上、インフラの老朽化対策や防災・減災など課題は山積。長期的に建設の仕事が極端に減ることはないとみられている▼施工の省人化や効率化、発注の平準化…。工夫の余地は少なくない。現場の景色を一変させる施策の総動員を期待したい。


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