2015年9月15日火曜日

【日本近代化の礎】土木学会が「15年度選奨土木遺産」選定

 土木学会(廣瀬典昭会長)は14日、15年度の「土木学会選奨土木遺産」として21件を選定した。戦後の施工例が全国的にほとんどない鉄筋コンクリートアーチ橋「東秋留橋」や国内最初期の本格的なアーチダム「三成ダム」などが選ばれた。

 幕末から昭和20年代ごろまでに整備された現存する土木遺産を対象に、社会へのアピールやまちづくりへの活用といった観点から選奨土木遺産選考委員会(小林一郎委員長)が審査を行った。主な選奨土木遺産を写真と文章で紹介する。


 【東秋留橋】(東京都あきる野市)=1939(昭和14)年に完成した橋長149・7m、6径間連続 の鉄筋コンクリートアーチ橋。戦後の施工例は全国的にほとんど無く、戦前を代表する橋梁だ。



 【由良川橋りょう】(京都府舞鶴市・宮津市)=1923(大正12)年完成。建設当時、国内最多径間を誇るコンクリート橋脚の鈑桁橋梁で、建設後90年を経るも保存状態が極めて良好な施設。



 【旧函館本線神居古潭トンネル群】(北海道旭川市)=完成年は1897(明治30)年と1928(昭和3)年。北海道官設鉄道として建設され、国内有数の膨張性岩盤地帯に挑み、逐次路線改良を重ねながら道内幹線鉄道輸送を支えた。



 【南向発電所取水堰堤】(長野県駒ケ根市中沢)=1929(昭和4)年に完成した。昭和初期に11キロ離れた水力発電所に導水するために建設されたローリングゲートと調和するゲートピアが個性的な堰堤だ。



 【三成ダム】(島根県奥出雲町)=完成は1954(昭和29)年。国内最初期の本格的なアーチダムといわれる。


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