◇企業の支援・周囲の理解不可欠◇
中部地方整備局愛知国道事務所は2日、産・官・学生の女性技術者9人による座談会を名古屋市千種区の同事務所内で開催した。現場の第一線で活躍する女性と建設業界を目指す女子学生が一堂に会し、建設業の魅力や女性が働きやすい職場環境のあり方などについて率直に意見を交換。女性が結婚後も仕事を続けるには企業の支援体制整備や周囲の理解が不可欠であり、次世代を担う女性技術者の入職を促進するためにも、声を上げ改善を訴えていくことが重要だとした。
現状を変えていく。女性技術者の活躍の場を広げるためのアイデアは |
女性が働きやすい職場環境について、愛知国道事務所の職員は「育児休暇制度や時短勤務など子育てのための制度を活用した。残業なども多いが、夫の両親も協力的で環境面で恵まれていた」と経験を紹介。一方、コンサル会社で設計に携わる女性技術者は「残業も多く土日出勤もあり、スケジュールを決めづらい。子どもができると辞めざるを得ず、育児から手が離れ復職したくても現状ではとても無理」と業界の環境整備の遅れを指摘。ただ「業務内容からみても、コンサル業界は女性が進出しやすいと思う。徐々に改善されているが、業務分担など周囲のサポート体制を構築し子どもがいても働ける環境づくりが必要」と訴えた。
意見交換では、女性技術者の本音が交わされた |
司会を務めた愛知国道事務所の岩田美穂さんは「女性目線のアイデアなど、子育てを経験したからこそ気づく部分もある。声を上げていけば改善も進むはず」と述べ、建設業で働く女性が一体となって訴えていくことが大切だとした。所さんは「重要なインフラ整備に携わる技術者として、広い視点で胸を張って、めげないで頑張ってほしい」と、次世代を担うけんせつ小町にメッセージを送った。座談会後、愛知県飛島村の名古屋環状2号線(国道302号)の現場見学を行った。
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