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堤防決壊で冠水した関東鉄道常総線の線路 (9月12日午後撮影) |
記録的な豪雨で鬼怒川の堤防が決壊した2日後の12日午前。大きな被害に見舞われた茨城県常総市内を取材していた時、冠水で不通となった鉄道の線路を歩く年配のご夫婦に会った。浸水した家には帰れず、何かしらの情報を集めようと二人で歩き始めたのだという▼ご夫婦が住む地域に泥水が流れ込んできたのは午後7時過ぎ。堤防が決壊してからかなりの時間がたっているが、ご主人は「田んぼにたまった水が一気に流れ出たんだ」と話していた▼洪水は、何の前触れもなく突然襲ってくる地震とは異なる。「どこまで水が来ているのか情報もなく、『断水しています』『避難して下さい』だけでは逃げようがない」と奥さん。タオルで隠した唇が震えているように見えた▼自分たちの家に近づくこともできない状況で周りから「復旧へ」と言われてもすぐには考えが及ばない被災者もおられよう。だが、まずは安全を確保し、生活再建への一歩を踏み出すためにもインフラの復旧が急がれる▼先週の大雨で洪水被害が発生した茨城、宮城などの被災地では、きょうも多くの人が復旧工事に携わる。どうぞご安全に。
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