東京都が調布市で建設を進めてきた「武蔵野の森総合スポーツ施設」が3月末に竣工する。2020年東京五輪の競技会場に選ばれており、新設する五輪関連施設の竣工は今回が初めて。
都オリンピック・パラリンピック準備局は引き続き、施設をバリアフリー化する工事の入札手続きや管理運営を任せる指定管理者の選定手続きを進め、17年内の開業を目指す。
建設地は調布市飛田給1の1の41ほか。味の素スタジアム(東京スタジアム)の隣接地に、SRC一部RC造地下1階地上4階建て延べ2万7603平方メートルの「メインアリーナ棟」、同地下1階地上3階建て延べ2万1517平方メートルの「サブアリーナ・プール棟」などを整備した。メインアリーナはフロア面積が約4800平方メートル、1万人以上が収容可能な多摩地域最大の多目的施設だ。
設計は日本設計が担当。建築工事はメインアリーナ棟を竹中工務店・奥村組・株木建設・白石建設・東起業JVが、サブアリーナ・プール棟を鹿島・東急建設・TSUCHIYA・京急建設JVが施工している。設備工事の担当はきんでん・日本リーテック・野里電気工業JVら。東京五輪で近代五種(フェンシング)とバドミントン、パラリンピックでは車いすバスケットボールが実施される予定だ。
五輪関連施設でもっとも早く着工した。五輪などの開催決定前に設計を終えていたため、竣工する施設は大会組織委員会による「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」(暫定基準)に基づくバリアフリー化がされていない。このため準備局は昨年8月、アクセシビリティー対応工事の設計を特命随意契約で日本設計に委託。17年度が始まる4月以降、施工者を決めるための入札手続きに入る。暫定基準では、車いす利用に配慮した会場出入り口のドア幅、車いす席の比率、エレベーターかごの大きさなどが細かく規定されている。例えば車いす席は会場全席に対して五輪で0・75%、パラリンピックでは1・0~1・2%を確保し、同じ比率で同伴者席を横に設ける標準規定がある。
施設の管理運営には指定管理者制度を採用する。2020年に向け競技会場になっている都内の施設が相次ぎ大規模改修に入る。武蔵野の森総合スポーツ施設はその代替機能を果たすことになる。
利用スケジュールに制約が掛かることから、味の素スタジアムのように民間企業に運営管理を任せる手法は当面採用しない。都のコントロール下で運営管理し、パラリンピックが終了した後に民間活力の導入などを検討する。
指定管理者制度の導入や開業時期を定める「東京都体育施設条例の一部を改正する条例案」は開会中の都議会に提出済み。
新施設は京王線・飛田給駅から徒歩5分の位置にあり、味の素スタジアムと隣接。大規
模なスポーツ大会やイベントなどが開催可能で、調布市など周辺自治体にとっても街づくりの新たな起爆剤になりそうだ。
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