2017年3月14日火曜日

【記者手帖】キャリアアップが見えないと

建設ダンプ業界を取材している。建設現場で働く技能者の確保・育成の取り組みは活発だが、現場に資材を搬入する人がいなければ工事は進まない。現場の担い手確保の推進も絵空事に終わってしまうという問題意識からだ◆ダンプの業界団体は、廃業の激増などから2004年に全国団体が解散。現在は全国で4県にしか協会が残っていないという極めて厳しい状況にある。ダンプの運転手は、高齢化が指摘される建設現場の技能者より平均年齢が高い。今は何とか対応できているが、若者の入職が少なく、危機は目前に迫っている◆取材の中で聞かれるのは「キャリアコースが明確ではない」ということ。ダンプの運転手にも、いかに平らに砂を排出するかなど技能の巧拙が問われる場面があるが、現場の技能者と違い、「おおむね◯年後にはこの資格を取得」といったキャリアコースが存在しない◆「単に大型免許があればよい職種と見られていることも社会的評価が高まらない一因」との声をあちこちで聞く。発注単価と運転手の年収アップと同時に、キャリアコースの創設も不可欠ではないか。(巳)

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