地球温暖化防止に向けた国際社会の足並みの乱れを懸念せざるを得ないニュースが報じられた▼時事通信によると、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が18日採択した共同声明から、地球温暖化への対応を促す文言が削除されたというのだ。米高官が削除を求めたと認めている。トランプ米大統領の意向が反映されたのは明らかであろう▼昨年11月に地球温暖化対策の新たな国際的枠組みとなる「パリ協定」が発効した意義は大きい。だがトランプ大統領は、経済や雇用を悪化させるとの理由で、協定からの離脱を大統領選の公約の一つに掲げて就任した▼「外交上のコンフリクト(対立)をあえて起こして脱退する可能性は小さい」。こう指摘する法学者の高村ゆかり名古屋大大学院教授も「むしろ資金の引き揚げはあり得る」との見方を示す。その前兆なのか米政権が16日に示した予算の骨格では、温暖化対策を担う環境保護局(EPA)の関連予算が3割も削減された▼日本が地球温暖化対策で展開する国民運動は「クールチョイス」。国際社会のリーダーを自負してきた国にこそ、「賢い選択」を促したい。
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