2017年3月23日木曜日

【ひと】国土交通省土地・建設産業局・神澤直子さん

 ◇実態を知ることの重要性痛感◇

 15年4月の着任から一貫して土地に関する税制全般を担当する。税は役所同士の議論と思われがちだが、「実態を知らないと身のある議論ができない」とこの2年の中で痛感してきた。

 例えば、17年度改正のうち、長期保有土地を譲渡し、新たな事業用資産に買い換えた場合の課税繰り延べを認める特例措置の延長。特例がなければ資産の買い換えもできなかった-。そんな声を所管業界だけでなく、製造業や旅館業者などさまざまな企業へのヒアリングで聞き、担当業務の影響度を改めて知った。

 人の役に立つ仕事がしたい。そんな思いから公務員になって10年。どの部署でも「現場の声」を重視する姿勢は変わらない。現場をよく知った上で政策を説明できなければ、机上の空論になるからだ。

 以前の部署でトラックドライバー不足に対応するため、全国に出向いて直接話を聞いた。「日の当たらない所で日本経済を支える人たちに光を当てられるような仕事がしたい」。そんな思いは人一倍強い。

 7歳の息子と4歳の娘の面倒を夫の両親が見てくれている。「周囲の協力があってこそ仕事ができる」。その代わり「土日は子どもたちにたっぷり愛情を注いでいます」と笑顔で語る。

 (不動産市場整備課課長補佐、かんざわ・なおこ)一橋大法学部卒。07年国交省入省。群馬県出身。

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