奈良県は、奈良公園内にある県指定有形文化財・吉城園(奈良市)を中心とした約3・2ヘクタールに宿泊、飲食施設などを整備する「吉城園周辺地区保存管理・活用事業」で、森トラストを優先交渉権者に選んだ。
ホテル運営会社などは未定だが、最高級クラスのインターナショナルブランドを誘致する予定で、建築家の隈研吾氏が建築デザインを担当する。完成は19年度末を予定。
敷地内には複数の既存施設が立地し、知事公舎と旧世尊院客殿は保存・活用、吉城園は主棟・茶室を保存・活用、副知事公舎と旧青少年会館は一部を保存・活用した便益事業などを行う。解体・撤去される国際奈良学セミナーハウスや奈良県警本部長秘書官宿舎、きんでん健康保険組合奈良保養所などが民間施設の新規整備の対象地となる。
優先交渉権者の事業コンセプトは「畏敬の夜・神秘の朝、奈良らしさを世界へ」。既存建物の特性を生かしながら、庭園と一体となった上質なホテルを整備する。客室数などは公表していないが、吉野杉や伝統技術を取り入れた奈良の伝統・文化を感じられる客室とする。
既存の知事公室はレストラン、旧世尊院は宿泊だけでなく文化発信の場にも活用するなど、既存邸宅の佇まいを継承し、周辺環境と調和した計画により名勝の価値を高める。吉城園主棟を有効活用したお茶会などのイベントも計画している。
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