3年次建築品質管理研修の様子 |
1804年の創業から210年以上の歴史を持つ清水建設。2010年に策定した長期ビジョン「スマートビジョン2010」の下、建築と土木の建設事業を核に、「グローバル事業」、建物の維持管理や不動産開発といった「ストックマネジメント事業」、環境・エネルギーなどの「サステナビリティ事業」の3事業に注力し、事業領域の拡大を図っている。
新卒採用は、建築施工系、意匠設計系、構造設計系、設備系、土木系など10系統で行っているが、学生募集の中心となるのがリクルーター制度。人事部の綿引秀樹人財開発グループ長が「丁寧に学生と接することを心掛け、当社の社風や職務への理解を促している」と話すように、リクルーターの人柄や姿勢が決め手となって応募してくる学生が多いという。
さらに「多様なタイプの人材の採用に努めている」(綿引グループ長)と、昨年春から「スマートビジョン(SV)採用」を実施。文系、理系の区別なく既存10系統の枠にとらわれない人材採用で、重点3事業の展開に役立つ人材の育成を始めている。
従来は系統ごとに行っていた新入社員研修も今年4月から一新する。これまで座学を中心に1週間だった全体研修を3週間に拡充。4月の入社後に2週間の研修を行い、9月と翌年2月にも再度全体研修を行い、1年間を通して新入社員を育てる体制を整えた。9月と2月の研修は、同社の原点である富山市の清水記念公園や作品群の見学などで建設業の社会的使命を理解し、同社の社員としての基本を身に付けることが狙いで、今年の研修では東日本大震災の復興現場の訪問も予定している。
各系統の研修も本年度から刷新。建築施工系では、ものづくり体験型研修を導入した。全体研修後に基礎研修を行い、その後、国内の各支店に分かれて、実際の現場で施工図、躯体現場、仕上げ現場それぞれの実務研修を12月末まで実施する。年明け1~2月には取引業者の協力を得て、各工場で職人の作業を体験し、RC躯体の組み立て試験も行う。3月には設計研修を行い、1年間通して建築全体の流れを身に付け、職務への理解を深める。
4月には、ものづくり研修センターが本格的に運用を開始し、新入社員に限らず、若手職員の育成にも一層力を入れる。綿引グループ長も「最近の学生は福利厚生に加えて会社の教育体制への関心も高い。こういったところもアピールしていきたい」と研修制度の充実に力を入れる。
《新卒採用概要》
・新卒採用者数=男性191人(うち技術系166人)、女性61人(47人)(2016年4月入社)
・3年以内離職率=5・0%(2013年度新卒)
・平均勤続年数=男性18・2年、女性13・9年(2016年3月末時点)
・平均年齢=44・5歳(2016年3月31日現在)。
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