狙った標的を決して外さないプロのスナイパー(狙撃手)が企業に向けて安全対策を指南するというアイデアが面白い。そのスナイパーの名が〈デューク東郷〉と聞けば、知っている方は多いだろう▼外務省はこのほど、人気漫画「ゴルゴ13」の主人公デューク東郷が登場する中堅・中小企業向けの安全対策マニュアルを作成し、同省のホームページに掲載した。外相が在外邦人の安全対策のためにデューク東郷に協力を要請する-。こんな想定でストーリーが展開されていく▼昨年7月、バングラデシュの首都ダッカで起きたレストラン襲撃事件では、日本人の建設関連の企業の技術者ら7人を含む20人が犠牲になった。世界中でテロの脅威が高まっている今、いつでもどこにでも危険は潜んでいるということだろう▼強い危機意識を持ち、特に海外への出張者や赴任者、企業・組織には安全対策を徹底してもらいたい。ダッカの事件後、犠牲になった方々を悼む一方で、海外で仕事をしたいと思う若者が減ることを懸念する声も聞かれた▼海外での安全対策が広く周知され、若者が自ら活躍の場を狭めてしまわないよう願う。
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