2017年3月17日金曜日

【人材確保・育成の一助に】国交省、鉄筋・左官のキャリアパスモデル作成

国土交通省は、専門工事業のキャリアパスモデルを「鉄筋工事業」「左官工事業」の2職種を対象にまとめた。入社から段階を踏んでキャリアを積み、複数現場を統括するリーダーや経営者に上り詰めたり、独立や転職で企業の枠を超えたルートをたどったりする過程をモデルに提示。新規学卒者を主な対象に行う採用活動に役立ててもらう。

 同モデルは、昨年7月に設置したキャリアパスモデル見える化検討会(蟹澤宏剛座長)の議論の成果として作成。建設業に入職する若者が将来像を描きやすくする。経験1~3年の初級技能者、4~10年の中堅技能者、5~15年の職長・熟練技能者、10~15年以上の登録基幹技能者の段階を経て、統括リーダー、品質管理担当者、部長、役員、経営者となる過程を示した。

 社内での昇進のほか、ゼネコンへの出向や転職、独立、指導員や教員、自治体職員といった道筋をたどる可能性も紹介している。

2職種の特色を踏まえて作成したモデルは、専門工事業に所属する職人や経営者へのヒアリング成果を含めたリーフレットを作成。専門工事業団体を通じて各企業に配布し、採用活動への利用を促す。

 加えて人材の有効活用策として、マルチクラフター(多能工)の普及を図る育成・活用事例集も作成。担い手の確保と併せて必要とされる生産性の向上を図る中で、連続する複数の異なる作業や工程のスキルを身に付けた職人を活用した工期短縮の可能性も示す。

 15日の検討会では、マルチクラフターをめぐる議論で「発注の仕組みがないと活用は難しいだろう」「建設業許可を横軸で取れるとよいだろう」など、発注者や制度上でクリアすべき課題があるとの指摘があった。

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