辰野金吾が設計を手掛けた木造本館の外観(提供:奈良ホテル) |
1909(明治42)年に開業した本館は「関西の迎賓館」として100年以上、宿泊客を迎えてきた。木造2階建て延べ4929㎡の規模で、62室の宿泊客室、ロビー、ティーラウンジ、バー、宴会場3室、メインダイニングルームなどを備える。桃山御殿風檜造りの建物は建物内外のデザインや調度品に明治の雰囲気を色濃く残し、経済産業省が認定する近代化産業遺産に選ばれている。
2013年11月に施行された建築物耐震改修促進法に基づき建物の耐震性などを調査した結果、改修が必要なことが判明。耐震強度を備えた施設にするため構造部の補強を実施するとともに、建物の文化的価値を損なわない形で客室などの機能性や快適性を高める改修を行うことにした。
本館ロビー「桜の間」(提供:奈良ホテル) |
設備機器では大正期から使ってきたスチーム暖房を電気ヒーターに切り替える。ラジエターはオブジェとして保存し、明治建築のクラシックな空間づくりに役立てる。
洋室に改装する1階和室㊤と稼働中の洋風ツインルーム (提供:奈良ホテル) |
0 comments :
コメントを投稿