大成ロテックが、アスファルト舗装やコンクリート舗装などに情報化施工技術の導入を進めている。
1月に完成した岡山国際サーキット(岡山県美作市)の走路改修工事では、サーキット向けの特殊アスファルト混合物の施工に3次元(3D)マシンコントロールシステム(MCS)などのICT(情報通信技術)を導入し、サーキットに求められる平たん性や滑り抵抗性を確保した。
サーキット走路には、レーシングカーの直線部の高速走行や曲線部の高速コーナリングに耐え得る安定性や平たん性、滑り抵抗性、耐久性など、高い性能が求められる。岡山国際サーキットは、国際自動車連盟(FIA)国際公認(グレード2)のサーキットだが、04年の改修から12年が経過し、滑り抵抗性の低下や路面の荒れが確認されたため、走行性改善を目的に改修工事が行われた。
工事では、既設走路を4センチ厚で切削し、同社が開発した特殊アスファルト混合物を表層に舗設した。舗設した「TRギャップアスコン」は粗骨材のかみ合わせによる高安定性と、特殊バインダーを用いたアスファルトモルタルを骨材間隙に充てんすることで骨材同士の高い把握力を保つ混合物で、滑り抵抗性や耐流動性、すり減り抵抗性などの要求性能を確保した。
施工に当たっては、平たん性を向上させるため、アスファルトフィニッシャーによる混合物の敷きならし高さを、3DMCSで自動制御。舗設時期が冬季だったため、運搬時の保温対策を実施。アスファルトフィニッシャーの排熱や開閉式断熱シートも利用し、混合物の温度低下による仕上がり不良を防止した。
これらの工夫で、走路の滑り抵抗性は、指標値となる滑り抵抗値(BPN)が施工前の50程度から平均75程度へと大幅に向上。平たん性は直線部で平たん性指標の3メートルプロフィルメータによる標準偏差が0・5ミリ~0・7ミリ(一般道路の規格値は2・4ミリ以下)と優れた結果が得られた。
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