◇次世代に経験と教訓語り継ぐ◇
6435人が犠牲となり、2人が行方不明となった阪神・淡路大震災は17日、発生から丸23年がたった。
兵庫県内の各地で追悼行事が行われ、県などが主催する「ひょうご安全の日 1・17のつどい」には、国や県、神戸市のほか東日本大震災や熊本地震の関係自治体などが参列。震災の記憶を風化させることなく経験と教訓を次世代に語り継いで、将来発生が予想される自然災害に立ち向かっていくことで誓いを新たにした。
安全の日のつどいのテーマは「1・17は忘れない-『伝える』『備える』『活かす』」。恒例のメモリアルウオークをはじめ防災啓発展示や防災訓練が行われたほか、東北3県や熊本県の観光情報発信コーナーも設けられた。HAT神戸(神戸市中央区)の人と防災未来センター慰霊のモニュメント前で開かれた1・17のつどいには約1000人が参加。市内の震災未経験者が4割を超えるなか、小中高生など若者の参加も目立った。
式典は午前11時50分に始まり、兵庫県議会の黒川治議長による開会の言葉に続き、正午の時報とともに犠牲者に黙とうをささげた。
主催者代表の井戸敏三兵庫県知事は「これまでわれわれが積み重ねてきた復旧復興の歩みのなかに、今後の社会作りに生かすべき大切なものが凝縮されている。大震災を乗り越えてきた知恵と力を結集し、希望に満ちた兵庫の新時代を切り開いて行こう。震災の悲しみを風化させずに教訓と経験を語り継いで、安全安心な社会づくりに生かしていくことが被災地兵庫の使命だ」と力強く呼び掛けた。
政府を代表して山下雄平内閣府大臣政務官は「災害が発生しやすい我が国では、防災は国家の基本的かつ重要な任務だ。災害から国民の生命・財産・生活を守り、安心して暮らせる社会を実現するために全力を注いでいく」と述べた。
最後に、人と防災未来センターの河田恵昭センター長が「新たな災害に備えるには、さらに対策を進めなければならない。震災の教訓はすべての災害に通じる知恵だから」と「ひょうご安全の日宣言」を読み上げ、参列者が献花台に花をささげた。
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