2018年1月15日月曜日

【回転窓】新たな一手「泊食分離」に注目

強い寒波が相次ぐ今冬。首都圏の近くでは昨年より2週間以上も早く全面滑走できるようになったスキー場もある▼日帰りも手軽でよいが、ゆっくり温泉に漬かって郷土料理を味わい、翌日もたっぷり滑ろうと宿泊するスキーヤー、スノーボーダーも少なくないだろう。好みの食事を近隣の飲食店で楽しめるプランを用意する宿が増えており、旅行客の多様なニーズに街ぐるみで応える取り組みが活発化しつつある▼そうした動きを察知した観光庁が地域の新しい活性化事業に乗りだす。宿と飲食店が連携し、宿泊と食事を別にした「泊食分離」を促す環境整備を一部で進めるという。18年度予算案に事業費を計上した▼飲食は重要な収入源だけに、料理自慢の宿には快く思わない経営者がいるかもしれない。それでも訪れる人の回遊性が増し、ファンを増やす宿や飲食店があるはず。食材や消耗品を共同購入する仕組みも整えるそうで、地域一帯の生産性向上が期待できる▼人口減少が進む時代。どの観光地も、旅人の心をつかむと同時に、サービスを提供する側の生産性向上が欠かせない。観光業の新たな一手に注目しよう。

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