2018年1月31日水曜日

【坂倉建築を保存・再生】鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)に新ミュージアム

 ◇県立近代美術館鎌倉館をリニューアル◇

 鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)は、境内にあり16年3月末に閉館した旧神奈川県立近代美術館鎌倉館を再生し、19年春をめどに「鎌倉文華館鶴岡ミュージアム」としてオープンする。

 現在、耐震工事などに入っている。文華館では展示や文化イベントのほか、資料や作品の収集・保存、調査研究などを行う予定。県重要文化財に指定されている旧鎌倉館の建築価値を保存しながら、新たな文化活動の拠点づくりを目指す。

 所在地は鎌倉市雪ノ下2の1の31(鶴岡八幡宮境内)。旧鎌倉館は1951年、日本初の公立近代美術館として開館。建物は日本の近代建築を代表する建築家・坂倉準三の作品として知られている。敷地面積は4243平方メートル。建物はS造2階建て延べ1575平方メートル(本館棟)の規模で、施工は馬淵建設(横浜市南区)が担当した。

 同館は、立地する鶴岡八幡宮の境内が国の史跡に指定されていることもあり、改修工事などを行って美術館として継続利用することが困難な状況だった。一方で建物の歴史的・文化的価値の高さから存続を求める声が多数寄せられたこともあり、県と八幡宮は要望も踏まえて、耐震改修や存続を視野に活用策の検討を続けた。県は16年12月、神社側が耐震等改修後に文化的施設として利用する方針を明らかにし、地域貢献につなげる方針を打ち出したことから、無償譲渡を決めた。

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