◇若手のうちから活躍期待◇
1910年に広島で創業し、100年以上の歴史を積み重ねてきたフジタ。2013年に大和ハウスグループの一員となり、15年に大和小田急建設と合併して以降、業績を伸ばしている。
その中で今後、必要になるのが人材の確保だ。採用を担当する管理本部人事部の黒川佳祐さんは「60年余りの実績がある『海外事業』と、脱請負を掲げて取り組んできた『開発事業』が当社の強み。加えて、新規事業も積極的に展開し、会社としてさらに成長していくため、優秀な人材の獲得に力を入れている」と話す。
同社が求める人材は、▽「スピード感」を持って物事に取り組む▽責任を持って達成するまで「やり切る」▽結果を「検証」して次の行動につなげる-の3点。これらを基に採用活動を展開。さらに黒川さんは、「フジタは若手社員にも責任のある仕事を任せる。主体性を持ち、困難な壁にも粘り強くチャレンジする人を求めている」と説明。その上で「女性や外国籍の人材も区別なく採用している」と話す。
「現実をしっかりと見つめ、学生の目線に合った対応をすることを心掛けている」と黒川さん。その上で、「まずはフジタを知ってもらう機会を増やすため、説明会や広報活動など多くのチャンネルを設けている」。説明会の時には会社のPRばかりでなく、業界の魅力や仕事のやりがいをしっかり伝えることも意識しているという。選考中は学生と面談する場を多く設け、アドバイスをしたり相談に乗ったりしている。
採用後の教育が充実しているのも重要なポイントだ。現場でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)として、新入社員一人一人に指導員(先輩指導役)を付けて育成する。
加えて入社式後2週間の「新入社員研修」や、6月には富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)で合宿形式の「実践型研修」を1~4週間実施。職種ごとにコースを分け、必要な知識と経験を醸成している。黒川さんは「座学だけではなく、配筋や足場の組み立てなど、通常は専門工事会社が手掛ける作業を体験することで、どこに危険が隠れているか、そして、どれほどの苦労があるのかを身をもって経験できるコースを組み込んでいる。現場に出てから必ず役に立つと確信している」とする。
入社2年目には、「2年目研修」を設け、1年間を振り返りこれからの目標を明確化している。
黒川さんは、これから就職活動を行う学生に対し「今は容易に情報を取得できる半面、多くの情報に翻弄(ほんろう)される危険性がある」と指摘する。その上で、「自分の耳で聞き、目で見たもの、体で感じたことを信頼し、企業を選んでほしい。価値観は人それぞれだが、動いた分だけ必ず自分に返ってくる。就職活動は自分のために行うものと思うので、ぜひ『情熱』を持って頑張ってほしい」と期待を込める。
《新卒採用概要》
【新卒採用者数】 男性110人、女性32人
【3年以内離職率】13・8%(14年度新卒)
【平均勤続年数】 男性18・1年、女性6・4年(17年3月末時点)
【平均年齢】 42・3歳(17年3月末時点)
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