ビットコインやリップルなどの仮想通貨が今月17日に大きく値を下げ、投資家に冷や水を浴びせた。韓国当局などが規制強化を検討しているとの報道がきっかけ▼先月に約2万ドルだった1ビットコインの価格が半分程度に下落した。市場の不安定さが再認識された格好だが、書店に並ぶ投資関連の本には大抵、こう書いてある。「短期的な動きに一喜一憂せず、巨視的に市場を見ることが重要だ」▼「東京五輪関連や首都圏の再開発が活発だ。2~3年は良い状態が続く」。都内で開かれている業界の賀詞交歓会を取材すると、多くのトップがそう切り出す。不況の影が業界を覆っていた10年ほど前、「業界を取り巻く環境は厳しく、景気の先行きも不透明」と悲観的な言葉で始まることが多かったのとは対照的だ▼言葉の力は大きい。かつての後ろ向きの言辞が若者の建設業離れの遠因になった可能性もある。景気は移ろいやすく制御することも難しい。経営者がすべきことは、景気の動きをただ見えるままに語ることではないだろう▼現実を見据えつつも、多様な言説に惑わされず巨視的に経営のかじを取ることが求められる。
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