2018年2月28日水曜日

【回転窓】土木界のデミーとマツ

かつて俳優の国広富之さんと歌手の松崎しげるさんが刑事に扮(ふん)して人気を博したテレビドラマがある。型にはまらない活躍ぶりが魅力の2人をどこか連想させてくれる名コンビが土木界に誕生したのをご存じだろうか▼「噂の土木応援チーム デミーとマツ」。土木の役割や大切さを市民に広く知ってもらおうと長崎大学大学院工学研究科に勤務する出水享さん(愛称・デミー)と共同技術コンサルタント福岡支店長の松永昭吾さん(同・マツ)が2年前に結成した▼博士号も持つ土木技術者2人のチームが企画・支援するイベントはユニークなものばかり。実際に「ワクワク ドキドキ 驚き」の土木現場を体験できると参加した親子連れの評判は上々のようだ▼奇をてらったイベントが目的ではない。参加者の心に響くイベントになるよう主催者の関連団体や企業と一緒になって企画を作り込む。自治体の協力も欠かせない。そうしたプロセスが新たな輪を広げるのだろう▼現場で働く人たちと接した子供たちから聞けるうれしい言葉の一つが「かっこいい」だという。建設関係者の多くが心を揺さぶられる一言に違いない。

【観客席数5000以上、メインスタンドに屋根も】太田市運動公園陸上競技場整備DB、契約候補者に石川建設

群馬県太田市は、公募型プロポーザル方式で選定していた「太田市運動公園陸上競技場整備事業」の契約候補者を石川建設(群馬県太田市)に決めた。

 3月中にも契約する。発注はDB(設計・施工一括)方式。27日の市議会に同社の提案概要などを報告した。完成イメージは28日以降、市のホームページに掲載する予定。

 老朽化している太田市運動公園陸上競技場を現在地(飯塚町1059の1)で改築・改修する。11月から既存スタンドの解体工事に着手。19年2月以降、本体工事に入り、20年3月の完成を目指す。

 石川建設の提案によると、観客席は新設するメインスタンド(RC一部S造3階建て延べ約4000平方メートル)に約3600席を設置する。既存のバックスタンド600席、芝生席2400席も引き続き確保。現在の5000席を上回る規模となる。メインスタンドを覆う屋根も設ける。グラウンドは陸上競技場第3種公認継続検定による公認を受けるため改修工事も行う。

 市は選定理由として「観客席数の多さ」を最大の理由に挙げた。17年12月にラグビートップリーグの試合が陸上競技場で行われ、約4200人が来場した。「今後もラグビートップリーグの開催を想定しており、陸上競技団体、ラグビー団体などの意見も聞きながら今後の設計に反映させたい」とした。

 事業費(予定額)は設計(既存解体・新設の設計、地質調査、測量含む)5550万円、工事12億3100万円。工事監理1350万円の計13億円。

【再整備へ官民連携めざす】日比谷公園グランドデザイン、3月に中間まとめ

 東京都は千代田区にある日比谷公園の在り方について、グランドデザインを策定する。園内全体で施設のバリアフリー化、サインの多言語化などを進める。

 主要施設が更新時期を迎えている園内の一部を、官民連携で再整備する検討エリアに指定する方向だ。3月に中間まとめを行い、意見募集をへて6月にグランドデザインを決定する。その後、具体的な整備計画の作成に入る。

 現在の日比谷公園は、障害者やベビーカーの利用者などを想定したバリアフリー対応が不十分な上、園内にある日比谷公会堂、大音楽堂などの主要施設が更新時期を迎えている。周辺の皇居や公園につながる歩行者ネットワーク・空間づくりにも課題がある。

 こうした課題解決を契機に、国際都市を象徴するセントラルパークへの転換を目指す。一部エリアでは、主要施設の改修を中心とした再整備に取り組む。

 敷地南西側を「日比谷公園大音楽堂・かもめの広場周辺」エリアに分類。大音楽堂が抱えているバリアフリー対応の不足、屋外型のホールで平日にコンサートが開催できないなどの課題に対応する。利用者がいつでも気軽にコンサートやイベント情報を入手でき、音楽に触れる機会も提供されているエリアに再整備する。

 敷地北側には「草地広場周辺」エリアを指定する。道路を挟んで向かい合っている皇居のお堀との景観の連続性を保った広場の構築、親子で遊べる空間や高機能な快適トイレを併設したサービスセンターの設置などをイメージしている。

 耐震強度の不足で現在閉館している日比谷公会堂と大噴水を含む敷地東側は「第二花壇・大噴水・日比谷公会堂周辺」エリアとする。公会堂を中心とした見通しが映える開放的な広場へと造り替える方向だ。周辺地域と連携しながら文化を発信するにぎわい拠点としても活用する。

 公園の周辺施設・団体などでつくる「日比谷公園エリマネ協議会」の設立も検討する。構成員には都、千代田区、地元自治会、エリアマネジメント組織、企業(駐車場・店舗事業者)、ボランティア、指定管理者などをイメージ。新たな公園づくりに関わる事業者を公募で別途選定し、協議会に参画してもらうことも想定している。

 20年7月に開会する東京五輪までに園内全体のバリアフリー化やサインの多言語化を進める。3エリアの再整備は、より中長期のビジョンの一つという位置付けで実現を目指す。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/BIMロードマップ3月公表

国土交通部と韓国建設技術研究院が進める橋梁・道路といったインフラ分野のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活性化方策で、3月にも「BIMロードマップ」が公表される予定だ。

 BIM関連の技術・政策・教育・インフラ・制度・R&D(研究開発)を包括する中長期戦略で、2030年までに全ての国土建設工事でBIM適用の義務化を目標に掲げる。

 活性化方策は△BIMロードマップ△地方庁モデル事業の拡大△対価算定基準△設計BIMガイドライン-の4部門で推進している。

 ロードマップを主導した韓国建設技術研究院の首席研究員は、「国内の研究機関や民間建設会社に散在するBIM技術を1カ所に集めて体系を構築するもの」と説明。長期的には、欧州共通のロードマップとして活用される英国のBIMの成熟度に次ぐ水準に引き上げる計画という。

 年内にガイドライン草案も公開する予定。これらを通じ、関連産業も体系的な枠組みを備えることが求められる。

CNEWS、2月20日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/ハノイ建築大学と日建設計が会談

 ハノイ建築大学(HAU)と日建設計は、共同で教育プログラムの設置を検討する。レ・クアン学長がこのほど同社幹部とハノイ市で会談し、今後の予定や講義内容、運営方法などについて議論した。

 HAUは日本の複数の建築系大学や企業と提携関係にあり、交換留学やワークショップの開催など国際的な活動に力を入れている。

 日建設計との協働も取り組みの一環で、クアン学長は「海外企業・機関との連携強化は大学の重要な戦略だ。学生により多くのチャンスを提供したい」と意図を語った。両者は、人材交流や共同研究などでも協力関係を拡大していくことで合意した。

セイ・ズン、2月21日)

2018年2月27日火曜日

【4月に中間取りまとめ】国交省、道路の豪雪対策検討開始

国土交通省は26日、有識者で構成する「冬季道路交通確保対策検討委員会」(委員長・石田東生筑波大特命教授)を立ち上げ、東京都内で初会合を開いた。

 大雪に見舞われた福井県内の国道で車両が長時間立ち往生したのを教訓に、効率的な除排雪の手法を探る。除雪機械のオペレーターの確保策も検討する。4月に提言の「中間取りまとめ」を行ってもらう。

 同日の初会合であいさつした国交省の石川雄一道路局長は、「今冬の大雪で立ち往生車両による渋滞が発生し、改めて豪雪時の道路交通確保の課題が浮き彫りになった。委員の皆さまには忌憚(きたん)のない意見をいただき、今後の対応を考えていきたい」と呼び掛けた。

 1月下旬には首都高速道路の中央環状線山手トンネルで約10時間にわたる立ち往生が発生した。今月上旬には福井、石川両県を結ぶ国道8号で最大約1500台を巻き込んだ立ち往生が発生し、解消までに3日間かかった。そこで国交省は、今回設置した有識者検討委で立ち往生によって浮き彫りになった課題の解決策を検討することにした。

 初会合では、国交省と有識者委が今後の主な検討課題として、▽道路管理者の責務▽除雪体制の増強▽融雪装置や待機所の整備▽効率的な除排雪手法▽ICT(情報通信技術)の活用▽降雪前後の時系列化した防災行動計画(タイムライン)の策定-などを確認・共有した。

 このうち、国交省はICTを活用した除雪機械の自動運転技術の開発を進めている状況を報告した。

 さらに、抜本的な課題として福井県の除排雪作業で交代要員不足や待機中の健康確保といった課題が浮き彫りになった除雪機械のオペレーターの不足を指摘した。その裏付けとして、全国的に除排雪作業に携わるオペレーターの高齢化や建設会社の減少が進んでいる国や地方自治体の統計データを紹介した。

 国交省は道路の豪雪対策を有識者委に提言の中間とりまとめを行ってもらう4月以降も検討する予定だ。

【回転窓】必要なのは適応力

「生き残る種とは最も強いものではない、最も知的なものでもない。それは変化に最もよく適応したものである」▼建設コンサルタントの長大が社員に配布した「ライフスタイルハンドブック」の巻頭は、英国の自然科学者チャールズ・ダーウィンの著書「種の起源」に残した言葉から始まる▼働き方改革の一環で多様な制度をそろえても、社内にどう浸透させるかに頭を悩ます企業は多い。長大のハンドブックは「分かりやすく、見やすく」をコンセプトに、出産や育児などのライフイベントごとに各自が置かれた状況に合った必要な制度が一目で分かるよう色分けされ、要旨も40~50字と簡潔にまとめられている▼作成のきっかけは「育児中はどんな働き方があるのか」といった社員からの問い合わせが急増したことだそう。働き方改革に本腰を入れる企業だけに制度は200を超える。今も次々に新設し、内容を改定するものも少なくない▼どれだけ制度をつくっても「使えない、使わない」では意味がない。社員が使える環境を整えることも企業の重要な役割だ。社員の声に耳を傾け、柔軟に対応する力が多様な働き方を実現する。

【次は何が起きるかな?】国交省、子ども向けに防災カードゲーム作成

このつぎなにがおきるかな?-。こんなタイトルの防災カードゲームを国土交通省が作った。

 防災教育支援の一環として、津波や水害が発生した時に起こる危険な状況を全60枚のカードで紹介。防災教育の授業や休み時間、放課後、子どもたちに遊びながら防災力を身に付けてもらう。

 カードは「すいがい」と「つなみ」の2編。両方またはどちらからでも遊ぶことができる。対象は中学年から高学年の小学生。

 災害が発生し、取った行動によって危険な状況になり、そうならないようにどう行動するかを4枚1組のカードを通じて学べる。各編それぞれ28枚(7組)と、ジョーカーの「これぐらいならだいじょうぶかも…」1枚の計29枚。7ならべやかるた、ばばぬきなどの遊び方も付いている。

 国交省ホームページに印刷用データと遊び方を掲載。印刷用データは名刺とはがきの2サイズを用意している。

【五輪開催へ仮設スタンド4棟整備】馬術競技会場仮設施設北エリア整備、9月着工めざす

現在の馬事公苑(ⓒ tokyo2020)
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、2020年東京五輪の馬術競技会場となる馬事公苑に4棟の仮設スタンドを新設する。このうち2棟を先行して整備する計画。設計は山下設計が担当する。施工者は4月以降の一般競争入札で順次決める予定。9月1日の着工を計画する。

 工事の計画名称は「東京オリンピック・パラリンピック競技大会馬術競技会場仮設施設(北エリア)」。東京五輪に向け、馬事公苑(東京都世田谷区上用賀2の1の1、敷地面積19・1ヘクタール)の北エリアに競技施設、南エリアには仮設の事務所や倉庫などを整備する計画。仮設スタンドは、北エリアに建設中のメイン屋外競技場(メインアリーナ)を取り囲む形で東西南北4棟を新設する。

 今回はこのうち東西2棟を先行して整備する。スタンドはS一部支保工システム構造2階建てで、高さは22メートル。2棟の延べ床面積は、ほかの仮設事務所などを含め計2万3458平方メートルの規模となる。座席数は4棟で1万席程度を想定している。残る2棟の施設規模は未定。仮設施設の解体を含む全体工期は21年2月26日までとしている。

 馬事公苑を所有する日本中央競馬会(JRA)は、恒久的に使用するメインアリーナなどの施設の再整備を2期に分けて進めている。1期工事の設計・施工は大成建設を代表者とする連合体(構成員=山下設計)が担当。19年秋まで1期工事を行い、22年度に2期工事を完成させる。

【18年度内に実現可否判断】筑波大アリーナ整備、支援業務をデロイトトーマツに

筑波大学は、茨城県つくば市で計画しているアリーナ事業のアドバイザリー業務の委託先を、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーに決めた。公募型プロポーザルを行い、23日付で契約を結んだ。土地の有効活用を図り、民設民営方式によりアリーナを整備する構想。検討結果を踏まえ、18年度をめどに実現の可否を判断する見通しだ。契約期間は7月末まで。業務の予算額は3000万円(税込み)。

 計画地はつくば市吾妻2の10。つくばエクスプレス(TX)・つくば駅の北東側に近接している。敷地面積は3万3449平方メートル。同大の吾妻2丁目職員宿舎があるが、18年度末で廃止予定となっている。用途地域は商業地域。容積率は400%、建ぺい率は80%に指定されている。

 アリーナの収容人数は7000~8000人程度を想定。今回の調査で事業手法や採算性などを検討する。民設民営方式を想定しているが、難しい場合は他の手法も検討する。実施を決定した場合には、早ければ20年度の完成を目指すとしている。

 同大は体育系の学部がある唯一の総合国立大学。スポーツを核に、ITや健康、医療、芸術といった分野とも融合を図っていく方針だ。アリーナを活用した新たなビジネスモデルの創出、地域の活性化につながるような施設を想定している。

【2020年度供用めざす】むつ市総合アリーナ(青森県)、18年度予算案に工事費計上

青森県むつ市は、おおみなと臨海公園(真砂町)に計画している「総合アリーナ」の建設に18年度着手する。当初予算案に工事費など37億24百万円を計上した。20年度の供用を目指す。

 計画では、臨海公園の敷地3万2539平方メートルに市民の健康増進の場となる体育館を整備する。規模はRC一部S造2階建て延べ約7900平方メートル。公園内のウェルネスパーク(屋内運動施設)やウェルネスはらっぱる(防災緑地)、大平アリーナと連携し、スポーツだけでなく、市民の憩いの空間として公園一帯を整備する。駐車場も確保する。

 基本設計によると、1階にメインアリーナとサブアリーナを並列配置し、最大でバスケットコート3面に対応。2階には1000席の観覧席と1周約200メートルのランニングコースを配置する。カフェコーナーやキッズコーナー、ラウンジも設ける。

 アリーナ上部は鋼管システムトラスによるアーチ状の屋根を架構し、雪による負荷を軽減。外周部に堆雪デッキや陸屋根を配置することで落雪による事故を防止する。

 概算事業費は用地や設計委託、本体工事、什器備品などを含めて約45億円。このうち建設本体費は約39億円を見込む。今春に設計を完了し、18年度内の着工を予定している。

2018年2月26日月曜日

【回転窓】出来映えにもこだわる仕事に感謝

〈橋梁のジョイント部やマンホールの位置などを事前に確認〉〈地吹雪時には細心の注意を〉…。重機による排除雪作業のポイントを日本建設機械化協会(現日本建設機械施工協会)発行の「経験者から学ぶ除雪車の運転操作上達のかんどころ」から引いた▼道の隅々まで熟知していないと路面や重機を傷つけたり、車線にはみ出して事故につながったりする。排除した雪が通行を妨げてもいけない。作業に当たる建設会社の苦労はいかばかりか▼今冬は北陸地方を中心に記録的な大雪が相次いでいる。頼みの建設会社は高齢で引退する重機オペレーターが増え、交代要員が不十分な中で厳しい対応を強いられているのが現状だ▼富山市でも1月、一晩に50センチを超える大雪が降った。「出来映えが今一つであったと感じられたオーナーもいらっしゃったのでは」。富山県建設業協会の竹内茂会長が全国建設業協会の機関誌「全建ジャーナル」18年2月号で、人手を何とか確保して行った排除雪での胸の内を明かしている▼使命感を持って冬の暮らしを支える仕事に臨み、出来映えにもこだわる-。心から感謝、どうかご安全に。

【運営候補者、11月までに選定へ】東京都、有明アリーナコンセッションの要求水準書素案公表

 東京都は、2020年東京五輪に備え整備している「有明アリーナ」(江東区)を対象に計画している管理・運営事業で、要求水準書素案を公表した。

 5月に開始予定の運営権者の選定手続きについて、参加者に求める事業提案の最低水準などを規定している。コンセッション(公共施設等運営権)方式を採用する。

 有明アリーナの利用料金は、供用中の東京体育館(東京都渋谷区)、武蔵野の森総合スポーツプラザ(同調布市)、国立代々木競技場体育館(同渋谷区)、横浜アリーナ(横浜市港北区)、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)などを参考に設定する。

 東京五輪の開会前・期間中の準備・維持管理期間には、統括管理責任者と開業準備業務責任者をそれぞれ置くのが条件。五輪後の運営期間(2046年3月末まで)には、統括管理責任者、運営業務責任者、維持管理業務責任者を配置する。各業務責任者は統括管理責任者の管理・監督の下、業務を遂行する。

 都は、コンセッション方式を採用した運営権者の募集要項を5月に公表し、11月に候補者を決める方向で調整している。

【けんせつ小町の活躍応援!!】日建連が新パンフ作成、広報活動や現場環境整備など紹介

日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、建設業で働く女性の活躍を紹介する新しいパンフレット「もっと女性が活躍できる建設業を目指して」を作成した=写真。社会の理解を促す「広報活動」と、働きやすさを追求する「現場環境整備」を巡る取り組みなどを記載。会員企業の女性職員が活躍する姿をアピールしている。パンフレットは、顧客に提供したり、イベントなどで配布したりする。女性の活躍を巡る報道機関向けの説明などにも使う。

 パンフレットには、高齢技能者の退職に伴って、女性20万人以上を含む90万人の新規入職者を確保する日建連の目標や、建設業で働く女性の現状などもまとめた。「女性技能労働者活用のためのアクションプラン」を決定した14年3月以降の日建連の取り組みも記載した。広報活動では、女子小中学生が対象のけんせつ小町活躍現場見学会など、現場環境整備では女性用のトイレやパウダーコーナーといった現場の設備、表彰制度などをそれぞれ紹介している。

【23年4月までに新校舎整備】東京理科大、葛飾キャンパス(東京都葛飾区)を拡充

 東京理科大学(本山和夫理事長)は23年4月ごろの完成を目指し、東京都葛飾区の葛飾キャンパスで新校舎建設を検討する。

 野田キャンパス(千葉県野田市)にある薬学部の移転など学部再編を計画しており、新校舎の建設で基盤整備を図る。学部再編によって同キャンパスの定員は、現在から約2300人増える見通しだ。

 葛飾キャンパスの所在地は新宿6の3の1(敷地面積3万6243平方メートル)。理学部や工学部などを配置し、13年4月に開校した。現在の学生数は約5000人。

 新校舎は同キャンパスの隣接地(新宿6の3602の4、6、敷地面積4827平方メートル)に整備する。東京理科大は23日に土地を所有していた区と売買契約を結んだ。金額は20億8849万8211円。新校舎の着工まで緑地やイベント会場として暫定利用する。

 計画によると、23年4月に「機能デザイン工学科」(仮称、定員440人)を同キャンパスにある基礎工学部内に新設。25年4月には野田キャンパスにある薬学部(1000人)と大学院薬学研究科(210人)、理工学部の一部(320人)を葛飾キャンパスに移す。

 時期は未定だが基礎工学部の1年次での長万部キャンパス(北海道長万部町)の使用を廃止。4年間一貫して葛飾キャンパスを使用する。1年次の基礎工学部の定員は360人。長万部キャンパスは国際教育の拠点として活用する方針だ。

【民活導入も検討】静岡市、駿府町地区文化・スポーツ施設整備(葵区)で方針策定へ

静岡市は、歴史文化拠点づくりの核となる「駿府町地区文化・スポーツ施設」の具体化に向け、18年度当初予算案に約1000万円を計上した。

 老朽化が著しい市民文化会館を再整備し、ホールとアリーナなどを備えた新たな複合施設の建設を目指す。このため、検討委員会を設置し民間活力導入に向けたサウンディング調査、周辺エリアへの影響などの検討を進める。19年3月を目標に、構想の前段となる施設整備方針をまとめる予定。

 市民文化会館(葵区駿府町2)は、2000席の大ホールと1200席の中ホールなどを備えた地下1階地上4階建て延べ2万890平方メートルの施設。1978年に完成した。稼働率は高いが老朽化しているため、解体跡地に新施設を建設する。

 同会館がある駿府城公園周辺では歴史文化施設建設事業や小学校跡地利活用、桜の名所づくり、公園の中堀を活用した和舟乗り場整備など「歴史文化の拠点づくり」のさまざまなプロジェクトが進む。このため、周辺の環境整備や他事業との連携も見据え、来訪者の回遊性が高くにぎわい創出や地域活性化につながる整備方針を策定する。

 具体的な検討事項は、▽施設整備に伴う周辺への影響と対応策▽駿府城公園エリアの他事業との連携▽駿府城公園周辺エリアの空間活用の方向性▽民間活力導入に向けたサウンディング調査-など。市は、学識者や市民など12人程度で構成する検討委員会を6、7月ごろをめどに設置し、ソフト面を中心に施設の方向性を検討する。

 ハード面については、本年度に4回開いた「駿府町地区文化・スポーツ施設を核としたまちづくり懇話会(座長・坂井文東京都市大教授)」の中で、市が施設構成や規模、事業費など議論のたたき台として、ホールは800~2000席、アリーナは5000~7000席を想定し、4パターンの組み合わせを提示。事業費は約117億~約175億円と試算した。

 市は18年度に策定する施設整備方針を踏まえ、19年度以降に整備構想をまとめる。規模や施設構成などはその中で固めることにしている。

【凜】NIPPO新本社ビル建築工事作業所・高田紗佑里さん


 ◇現場の仕事を吸収したい◇

 建築に興味を持ったのはテレビ番組がきっかけ。子供の頃から好きだった職人の仕事の紹介や住宅リフォームの番組を見ているうちに「私も将来はものづくりに携わりたい」と思うようになった。その思いを持ち続け、高校卒業後は地元福岡にある大学の建築学科に進学、構造を学んだ。

 会社説明会の際、親身になってくれた人事担当者の人柄に引かれて入社。2年目の現在は東京都中央区にある本社ビルの建築工事作業所で、カーテンウオールの施工管理を受け持っている。

 「現場の仕事は目の前の作業だけではなく、全体を把握していないとうまく回らない。少し先を見ているつもりでも気付いていないことが多い」と勉強の毎日。仕事に追われる中でも、ふと現場を見上げた時に「こんなに出来上がっているんだ」と感じる瞬間がある。

 「自分の小さな仕事の積み重ねが成果につながっていると実感できる時、この仕事のやりがいが味わえる」

 就職して初めて地元を離れ、1人暮らしをしている。普段から先輩の女性技術者と食事に行く機会は多く「職場では聞けない疑問や悩みを聞いてもらい、助けてもらっている。毎日楽しく過ごせている」と充実した日々を送っている。

 若手社員はこれからさまざまな部署に配属され、設計や積算も学ぶ。技術者として成長するため「今のうちに現場だからこそ分かることを吸収していきたい」と話す。

 (たかた・さゆり)

【建設業の心温まる物語】東海コンクリート工業(三重県)・櫻井稔真さん

 ◇同じ目標に向かい一つのことを成し遂げる魅力◇

 15年7月、初めて杭打ち工事を施工管理技術者として担当しました。工期は約2カ月程でしたが、初めて担当する現場であったため右も左も分かりません。元請の監督さんも協力会社、社内の先輩方も知らない人ばかりで、不安でいっぱいの毎日でした。

 最初は、仕事でミスをするたび、協力会社の方から「仕事が分からないんやで、帰ってけや」などと厳しい言葉を多々言われました。そのたびにモチベーションは下がっていくばかりでした。

 「初めて工事を担当するので分からないんやで。なのにそんなこと言われても…」と思っていました。しかしそれでも工事は進みます。元請の監督さんと協力会社の先輩たちは、そんなだめな私をフォローしてくれながら、一生懸命仕事をしています。

 その時、私はようやく気づきました。

 「みんな前向きなのに、私だけが後ろ向きな仕事の仕方をしていたんだ」

 それからというもの、仕事は分からないけど周りの方々に教えてもらって、とにかく一生懸命がんばっていこう、と意識するようにしました。

 施工完了を迎える時には元請監督や協力会社、社内の先輩方から「よう成長したね」「また一緒に仕事しような」などと声を掛けてもらいました。とても成長させてもらった現場で、今ではすごく良い思い出です。

 みんなで同じ目標に向かって一つのことを成し遂げる、それが建設業の魅力だと思います。

【建設業の心温まる物語】豊建(愛知県)・水野陽介さん

 ◇早く手術して現場に戻ってこい◇

 入社して 1~2年のころ、まだ現場管理がどういう仕事なのかよく分からないまま、現場の職人さんにいろいろな迷惑をかけながら仕事を続けていました。そして3年目になるころ、私の左足大腿(だいたい)骨の中に腫瘍が見つかりました。

 治療のため、現場管理の仕事からは離れて社内での業務がメインとなりました。病気の治療がはじまり、松葉づえ生活になってしまいましたが、すぐに治癒し現場復帰するものだと思っていました。しかしそんな生活が2年、3年と長くなると不安がつのってきました。そして現場管理の仕事にブランクができたことで、現場に戻ることが怖くなってきました。 

 松葉づえ生活をはじめて4年がたったころに治療の進展がこれ以上見込めないとのことで手術を行うこととなりました。腫瘍が転移してしまえば足の切断もありえるとのことだったため、不安でいっぱいでした。

 手術のため入院した際、知らない番号から電話がかかってきました。だれだろうと思いながら出てみると、5年前に一度仕事をした職人さんの声が聞こえてきました。

 「早く手術して現場に戻ってこい」。そのぶっきらぼうな、しかし温かい声に、涙が出るほどうれしく思いました。その言葉を聞いて、不思議なくらい元気と勇気が湧いてきました。現場復帰への不安はなくなり、「なんとしても足を治して現場へ戻るぞ」と決意することができました。無事手術は終わり、今では現場復帰し元気に働いています。

 その職人さんにはいまだに迷惑をかけてばかりです。しかし、いただいた電話のご恩を返すためにも、お役に立てるような施工管理技術者になる決意です。

【建設業の心温まる物語】中山組(北海道)・小林康人さん


 ◇達成感でいっぱいの工事◇

 道央自動車道東野工事(北海道八雲町)での高速道路新設工事でのことです。高速道路は一般道路より上部を通るため、高く土砂を盛り上げた盛土の道路を作り、川の流れている場所には橋をかけます。

 盛土工事は、山でダンプトラックに土砂を積込み、一般道路を運搬して工事を進めます。そのため一般道路をダンプトラックが通行する際、一般車両や地域住民の方々に迷惑がかかることが避けられませんでした。 

 地元説明会を何度も開催し、住民の方々に説明をしましたが、なかなか納得していただけません。ついに納得をしていただけないまま、土の運搬開始となってしまいました。すると予想通り苦情の電話はどんどんかかってきました。加えて、関係官庁からも多くのことを依頼されました。一つひとつ対応しますが、つらい日が続きました。

 私にできることは何かないかと考えた結果、安全に工事を終了させることしかないと思いました。そこで、運行管理車が先導して制限速度を厳守させました。また路面の防じん対策として毎日散水をし続けました。

 ようやく工事を終えることができ、地元の方々に工事協力お礼のあいさつに行きました。また叱られるのではないかとドキドキしていたところ、思いがけず「約束を守ってくれ、俺らも安心して農作業できた。感謝している。ありがとう」の一言。とてもびっくりしました。他の地元の方からも同様に感謝の言葉をいただきました。工事に協力してくれた上、感謝の言葉までもらい、達成感でいっぱいでした。

 それから3年後、開通式にてバスで道路を通りました。全長4800mの道路を通過するのに要する時間は10分程でしたが、当時のことを鮮明に思いだしました。今となっては若いころの忘れられないよい思い出です。

【サークル】岩田地崎建設・ICサイクル同好会


 ◇北海道の大自然とグルメを満喫◇

 社内の自転車好きが自発的に集まってイベントなどに参加していたが、代表を務める山本隆幸代表取締役副社長が発起人となり、16年に会社公認の同好会として発足。内勤、現業を問わず、本社と北海道本店の社員19人が所属している(2月時点)。

 モットーは「健康維持と仲間で走行する自転車の楽しさ」を味わうこと。ロングライドで北海道各地の大自然とグルメを満喫できる活動を心掛けている。

 積雪寒冷の北海道では活動期間が限られているが、毎年5~8月は、ほぼ月1回のペースで道内各地のサイクルイベントに参加。9月には同好会のメインイベントになっている美瑛センチュリーライドに参加を続けている。

 今年は、5月に札幌モエレ沼公園で開催される「ママチャリレース」に参加する予定。昨年に続く参加だが、山本副社長は「年々、若手メンバーの活躍が目立ってきた。さらなる若手の活躍を」と好成績を期待する。

 若手の活躍を聞いた他支店の社員からも入部希望がある。山本副社長は「今後どんどんメンバーを増やし、活気ある活動を展開していきたい」と会の発展に意欲を見せる。

【駆け出しのころ】東鉄工業執行役員線路本部副本部長兼線路企画部長・飛田和夫氏

 ◇常に現場を「見る」ことが大切◇

 子どもの頃、友達と一緒に鉄道の写真を撮りに行ったり、HOゲージの鉄道模型を走らせたりするのが何よりの楽しみでした。将来は鉄道に関わる仕事がしたいと思っていましたから、東鉄工業への就職も迷わず決めました。

 入社後すぐに配属されたのは、工事が最盛期に入っていた上越新幹線の大清水トンネル(群馬県みなかみ町~新潟県湯沢町)のスラブ軌道を整備する現場です。全長22キロを超える大清水トンネルは当時、山岳トンネルとしては世界最長で、毎日先輩や協力会社の人たちに教わりながら、仕事を覚えていきました。

 朝暗いうちから現場に行き、帰りが遅くなれば、一日中お日さまを見ないで過ごすこともありました。豪雪地帯なので、朝晩に除雪作業を行うなど、大変な現場でしたが、新幹線という最先端の仕事に携われることには大きなやりがいを感じていました。

 その後、営団地下鉄(現東京メトロ)の直結軌道工事、光が丘公園(東京都練馬区)の地下に整備された都営地下鉄大江戸線の車両基地の線路敷設、新幹線の上野駅や東京駅、JR中央線東京駅の切り替え工事など、数々の現場を担当し、たくさんの経験を重ねました。

 どんな時でも、仕事の基本は「見る」ことです。最初の現場で先輩に教わりました。現場で工事がどのように行われているのかをしっかり見て、分からないことは本で調べる。そして再び現場を見るのです。そうした繰り返しの中で、一つ一つの課題を乗り越えていきました。

 施工の提案を行う時も、現場の状態がどうであるかを知らなければ、最適解を探し出すことはできません。そうしたことを常に意識するよう、今は若い人たちに伝えています。

 現場を見るという習慣が身に付いたせいで、今も電車を待っているとホーム上から軌道のことが気になってしまいます。上越新幹線に乗って大清水トンネルを走っている時なども、乗り心地が気になります。仕事柄、いつも軌道のことを考えています。

 支店のトップに就いたのは2008年10月。水戸支店長としてです。11年3月11日の東日本大震災で事務所が大きな被害を受け、使用できなくなってしまいました。車で10分ほどの水戸営業所は被害がなく、すぐ、そこに事務所を移すことを決めました。トップが迷わず判断することが大切だと考えました。

 土木、建築、線路の部隊がそろう水戸支店では、小倉雅彦社長(現会長)の指揮の下、大きな被害が出た常磐線の復旧など、JR東日本と工程を詰めながら進めました。社員、協力会社との状況確認を含め、どんな時もコミュニケーションが重要だと、この時に改めて実感しました。

 (ひだ・かずお)1978年日大生産工学部土木工学科卒、東鉄工業入社。一貫して線路工事に携わり、2005年線路本部線路部長に。08年執行役員水戸支店長、13年同東京線路支店長を経て、16年6月から現職。神奈川県出身、62歳。
30代前半に行った旅行先での1枚

2018年2月23日金曜日

【回転窓】誠意が信用を育む

企業の信用力とは何かを考えるとき、1979年に亡くなった陶芸家八木一夫とある百貨店の個展開催を巡るエピソードを思い出す▼八木が東京の百貨店から個展を依頼されたのは60年代。土を素材としたオブジェ風のインテリアアートが注目を集め、作品の人気は高まるばかりのころだった。再三の開催要請を断っていたと、没後25年回顧展の後書きにある▼当初は売れなくなれば個展をやめる、作家を育てる姿勢がないと批判。ただ責任者が「私がいるうちは個展を取りやめることは絶対にしない」と断言したことに誠意を感じ、後継の育成を条件に開催が決まったという▼その後どうなったか。百貨店は約束を守り、陶芸展を取り仕切る人材を育て、それは責任者の異動後も続いた。意気に感じた八木は展示期間中ずっと会場に立ち、来訪者と歓談した▼亡くなる3カ月前に行われた個展の最終日、会場には一人でたたずむ八木の姿があった。寂しそうに会場を去りながら百貨店の担当者を見て笑顔でうなずいたそうだ。信義を重んじ、決して手のひらは返さない。金銭には変えられないところで、信用は育まれるのだろう。

【ボランティア休暇活用など環境整備を】日建連、会員企業に消防団活動への協力要請

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)が消防団活動への理解・協力を会員企業に積極的に要請している。19日の理事会に続き、会員企業のうちの58社で構成する社会貢献活動協議会(会長・押味至一鹿島社長)が21日に開いた会合でも改めて対応を依頼。地域の消防団への入団や、従業員が消防団活動に従事しやすくなる環境整備を求めた。

 会員企業には、事業所の従業員や、各事業所の自衛消防組織の構成員の入団を促すとともに、事業所の重機などを活用した消防団による救助活動への参画を促した。

 消防団活動の際の勤務を免除したり、ボランティア休暇を活用できるようにしたりするなど団員活動を行いやすくする環境の整備も要請。評価などでの配慮も必要とした。学生消防団活動認証制度に基づく証明書を提出した就職活動中の大学生に関し、必要な能力などの判定で参考にするような措置も求めた。

 消防団活動を巡っては、野田聖子総務相、稲山博司消防庁長官が経団連に対し、消防団活動を強化するための協力を要請している。経団連は7日付で、社会基盤強化委員会(委員長・山内隆司大成建設代表取締役会長)が地域防災や安心・安全な社会づくりのために、会員企業の代表者宛てに協力の依頼文を発出した。日建連は地域防災への貢献を促すため協力を依頼した。

 消防団員は、1990年度に100万人を下回った。17年度は85万人で、被雇用率は73%、平均年齢は40・8歳。民間企業には、社内通達で入団を呼び掛け、消火資機材の援助や自衛消防組織の派遣に関する協定を自治体と締結している社などがある。

【400t鋼板セルの据え付け進む】関東整備局京浜港湾、南本牧ふ頭CT工事の現場公開

 関東地方整備局京浜港湾事務所は、横浜市中区で進む「南本牧ふ頭MC-3、4コンテナターミナル工事」の現場を19日に公開した。

 京浜港(横浜港・川崎港・東京港)は、11年4月施行の改正港湾法で国際コンテナ戦略港湾に指定された。南本牧ふ頭では、アジア主要国と遜色がないコスト・サービスの実現に向け、世界最大級のコンテナ船も受け入れ可能な大規模コンテナターミナル整備が進められている。

 横浜港南本牧ふ頭のMC-3・4コンテナターミナルは、国内最大級のコンテナ岸壁として整備。MC-3地区は15年に供用を開始した。現在、MC-4地区で大規模地震発生時における国際物流機能を維持するため、大水深の耐震強化岸壁工事が進行している。

 海底の起伏が激しく複雑な軟弱地盤層が分布しているため、岸壁本体部直下の軟弱な海底地盤をSCP工法とCDM工法で改良。1函の重量が約400トンという巨大な鋼板セルを合計16函設置し、岸壁本体を築造する。現在、最後の鋼板セルを据え付ける作業が進められており、19年内の供用開始を目指して工事は最盛期を迎えている。

【渋谷~表参道駅間などが終日運休に】銀座線渋谷駅移設、5月3~5日に線路切替工事

 東京メトロが進めている銀座線渋谷駅の移設事業で、5月3~5日に大規模な線路切り替え工事が行われる。

 同工事中は一部区間(渋谷~表参道、青山一丁目~溜池山王)を終日運休する予定。新しいホームを築造するスペースを確保するため、浅草方面行きの線路を北側に、渋谷方面行きの線路を南側にそれぞれ移設する。

 線路切り替え後、19年度下期の新ホームの供用開始に向けて工事を推進。線路の移設やホーム幅員の拡幅、旧駅ホームの撤去作業を進める。

 銀座線渋谷駅では周辺街区の基盤整備と連動して大規模リニューアル事業を実施中。現在の駅の位置から表参道方面に約130m移設し、明治通り上空に新駅を整備する。新駅は渋谷・浅草方面行きの2本の線路に挟まれた構造の島式ホームとなる。ホーム幅の拡大によって混雑緩和を図るほか、ホームドアを設置して安全性も高める。総工費は約290億円(うち東京メトロ負担分約100億円)を見込む。
5月3~5日の銀座線運休区間

2018年2月22日木曜日

【概算事業費は78億円、19年度着工めざす】北海道、赤れんが庁舎改修で基本指針素案

北海道は20日、道庁赤れんが庁舎(札幌市中央区)のリニューアル基本指針素案を公表した。老朽化した赤れんが庁舎の改修に当たり、改修後の庁舎の活用方針や各フロアの機能・構成のほか、PPP・PFIを含めた管理運営手法の検討方針などを示した。概算事業費に78億円を試算。18年度に実施設計、19年度に着工し、22年度の完成を予定している。

 札幌市中央区の北海道庁敷地内に立つ赤れんが庁舎は、れんが造地下1階地上2階建て延べ5004平方メートルの規模で、1888年12月に当時の北海道庁本庁舎として竣工した。1968年に復元改修工事を行って以来、屋根や外壁、空調・配管設備などの補修が行われてきたものの、大規模な改修を行っておらず、内外部とも老朽化が著しいことから、重要文化財指定時の仕様を基本とした修復や耐震化、バリアフリー化を含めた改修を行う。

 現状は行政庁舎や北海道の歴史などを伝える展示、コンサートの文化発信の場として活用しているが、改修を機に館内の展示や活用方法を全面的に見直し、北海道の文化・観光情報の発信拠点施設として施設の魅力向上を図る。

 各フロアの機能・構成を見ると、2階は「歴史と文化のフロア」として、重要文化財としての赤れんが庁舎の価値や北海道の歴史文化・自然景観の魅力などについて展示する。各種レセプションやコンサート、結婚式など多目的な用途に利用可能な催事スペースも設置する。

 1階は「地域情報とにぎわいのフロア」をテーマに道内各地の観光情報を発信するほか、地域の名産品の販売を行う物販店舗や北海道の食文化を楽しめる飲食スペースなどを設置。地階は「創造と交流のフロア」と位置付け、官民・企業間などの意見交換や交流、起業支援、アートなどの各種創作活動に利用できるスペースやカフェスペース、絵画や写真の展示会などに利用できる企画展スペースを設け、さまざまな道民活動を支援する。

 庁舎のシンボルともなっている八角塔は、展望体験を含めた建築観察ツアーなど屋上バルコニーからの眺望を活用した体験プログラムなどへの活用を検討することとしている。

 リニューアル後の管理運営体制については、コンセッション(公共施設等運営権)方式や指定管理者制度など民間事業者のノウハウで、自立性の高い運営が可能となる手法を導入する方針。今後PPP/PFI手法による効果を比較し、管理運営手法などの選定に必要な条件を検討する。展示構成案や管理運営手法は18年度に検討し、年度内に基本方針を決定する。

【回転窓】「働き方改革」の最適解

働く場所や時間などを社員が自由に選べる-。こんな「Work from Anywhere and Anytime(WAA)」がいつでもどこでも好きなように働くことを認めるユニークな制度として注目を集めている▼16年7月にWAAを導入した日用品大手のユニリーバ・ジャパン。上司に申請すれば理由を問わず、自宅やカフェ、図書館など会社以外の場所で勤務できる。大半の社員がWAAを活用し、ワーク・ライフ・バランスの充実と生産性の向上で大きな効果を上げているという▼外部に対しても他社向けのWAA説明会を定期的に開催し、制度導入の意図や取り組みの詳細を広く発信。誰もが生き生きと働き、豊かな人生を送れる社会の実現を目指す企業・団体・個人のネットワークを構築し、多様な働き方の普及を後押しする▼こうした先進的な事例はまだ少数ながら、目指すべき方向性は大多数の企業が一致するところ。より良い環境下で個人の能力を最大限に引き出し、組織全体の生産性を高めることに腐心する▼業態や事業規模が異なれば「働き方改革」の最適解もさまざま。企業の模索は続く。

【採用ルールやスケジュール紹介】振興基金、工高生採用活動の事例集作成

 建設業振興基金(振興基金、内田俊一理事長)は、工業高校生の採用に向けた建設企業の取り組みなどをまとめた事例集を作成した。

 地域建設業や専門工事業の高校生採用の取り組みや、工業高校6校の進路指導の状況を紹介。採用ルールやスケジュール、求人票作成のテクニックなども掲載している。

 1万5000部を関係団体を通じて配布するほか、振興基金ホームページで公開し、円滑な採用活動に役立ててもらう。
 振興基金は16~17年度に新卒採用活動の実態や学校側の進路指導状況、採用内定者を対象にした就職活動の意識について調査。事例集にはその結果や高校生・教員の声を掲載している。

 高校生採用のルールとスケジュールも独自に整理。高校生の求人から採用までの流れを時系列で紹介しているほか、1人1社という応募の慣行や学校訪問に適さない時期などがまとめられている。

【JICA円借款案件のトアマシナ港拡張】五洋建設、マダガスカルで港湾工事初受注

円借款で拡張事業が行われるマダガスカル・トアマシナ港C1~3バース
(写真提供:国際協力機構〈JICA〉)
五洋建設がマダガスカルで計画されているトアマシナ港拡張事業のうち、1期工事を受注した。国際競争入札に五洋建設・大豊建設JVで参加し、事業主体のトアマシナ港湾公社(SPAT)と契約を交わした。

 契約金額は非公表。同国で初弾となる案件受注を機に、今後発注が予定されている2期工事の連続受注に向けて営業活動を強化する。

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【仕事の心得、しっかり学べます】ハタコンサル、4月に建設業新入社員育成セミナー開講

ハタコンサルタント(名古屋市中村区、降籏達生社長)は、4月に建設会社などに入社する新入社員を対象にした「育成セミナー(第10期生)2カ月コース」を4月に東京、大阪、名古屋で開講する。

 6日間のスクーリング(2日間の講義4回)と2カ月間のポイント獲得活動で、新入社員に必要な知識を習得してもらう。

 セミナーは、建設会社の新入社員、建設業未経験者(土木、建築、空調、衛生、電気、プラント)が対象。社会人、建設技術者として求められる能力や、建設業法などの建設関係法令、図面、工程表、安全管理、品質管理、原価管理の基本を教える。講義は第1~4講に分け、各講は2日間連続で開く。講義に加え、ポイント制で▽文書作成能力▽コミュニケーション力▽人間力の向上-の施策を日々実践してもらうことで、技術者としての必要なスキルを身につける。

 総合講師は大手ゼネコンで豊富な施工経験のある同社の三浦規義取締役(1級建築士)。開催日程は次の通り(各講義の時間は1日目が正午~午後6時、2日目が午前9時~午後3時)。

 【東京】講義=第1講4月5~6日、第2講4月24~25日、第3講5月24~25日、第4講11月21日(1日のみ)▽場所=イオンコンパス東京八重洲会議室RoomC(東京都中央区京橋1の1の6越前屋ビル4階)

 【大阪】講義=第1講4月9~10日、第2講4月26~27日、第3講5月29~30日、第4講11月22日(1日のみ)▽場所=イオンコンパス大阪駅前会議室RoomE(大阪市北区梅田1の2の2大阪駅前第2ビル15階)

 【名古屋】講義=第1講4月3~4日、第2講4月23~24日、第3講5月22~23日、第4講11月20日(1日のみ)▽場所=ウインクあいち(名古屋市中村区名駅4の4の38)

2018年2月21日水曜日

【回転窓】神秘の巨大地下空間

先週末に宇都宮市を訪れ、目当ての資料館をようやく見学できた。栃木県の名産「大谷石」の地下採掘場跡を公開している「大谷資料館」である。話題の資料館と知りつつなかなか行く機会がなかった▼地下30メートルに広がる神秘の巨大空間へ-。パンフレットには、興味をかき立てるそんな文言が。この言葉にふさわしい見応えのある資料館で、江戸時代に本格的に始まった採掘の歴史を教えられた▼建築材料としての大谷石は旧帝国ホテル本館(別称・ライト館、1923年竣工)に採用されて脚光を浴びる。米国人建築家のフランク・ロイド・ライトがなぜこの石を使ったのか。当初は別の石が候補だったらしく、建築史家の谷川正己氏がそうした経緯を『大谷石百選』(NPO法人大谷石研究会発行)に書いている▼映画やドラマの撮影、コンサート、結婚式などに幅広く利用され、現代アートとの組み合わせによる「ミュージアム」の顔も持つ。大谷資料館に多くの観光客が訪れるのもうなずける▼積極的な空間利用を進めて観光拠点としてよみがえらせる。これも貴重な産業遺産を後世に残すための大切な視点であろう。

【歩くだけで楽々データ取得】大林組、地形測量用スマホアプリ開発

スマホdeサーベイによる測量風景㊤と取得した点群データ
 大林組が地形を素早く測量できるスマートフォン用アプリ「スマホdeサーベイ」を開発した。アプリを搭載したスマートフォンを持ち、画面を見ながら現地を歩くと、点群による3次元(3D)の地形データがその場で取得できる。

 トータルステーション(TS)を使う従来方法に比べ、現地での作業時間が90%以上短縮できる。土砂災害が発生した場合の迅速な復旧工事などに役立てる。

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【災害78件に6万人以上派遣】国交省テックフォース、4月に設立10年

昨年夏の九州北部豪雨で、関東整備局から被災地に
向かうテックフォースのメンバー(17年7月10日撮影)
国土交通省の緊急災害対策派遣隊(テックフォース)が4月で設立から丸10年を迎える。石井啓一国交相は20日の閣議後の記者会見でこれまでのテックフォースの活動を「各地で高い評価をいただいている」と振り返った。

テックフォースはこれまで2011年3月の東日本大震災や16年4月の熊本地震、17年7月の九州北部豪雨など計78の災害で、被災地に延べ6万人以上の隊員を派遣。最前線で被災状況の早期把握や道路啓開、緊急排水などの活動に当たってきた。17年10月時点で隊員として国交省の職員計9408人が任命されている。

 国交省は東京・霞が関の同省庁舎1階ロビーでテックフォースの活動を紹介したパネル展を20日~3月2日の期間で開いている。22日には東京都内で熊本地震以降の災害対応で活躍した隊員をたたえる表彰式などを兼ねた「テックフォース全国大会」を開催する。今後について、石井国交相は「地震や水害などに的確に対応するため、これまでの経験を生かしながらさらなる技術力の強化、体制の確保に取り組んでいく」と強調した。

【延べ14・6万㎡、施工は戸田建設】東京駅前常盤橋プロジェクト、高さ212mのA棟が着工

 三菱地所は、東京都内で最大規模の「東京駅前常盤橋プロジェクト」(東京都千代田区、中央区)のうち、完成時に東京駅周辺エリアで最高層となるA棟の建設に着手した。2021年4月の完成を目指す。設計監理は三菱地所設計、施工は戸田建設。

 同プロジェクトの正式名称は「大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業」。東京駅周辺の開発で最大となる3・1haの敷地(千代田区大手町2の6、中央区八重洲1の11)に、日本一の高さとなるB棟(最高高さ約390m)を含む施設4棟(A~D棟)を10年超かけて段階的に整備する。

 D棟は既に着工済みで、B棟とC棟Ⅱ期工事は23年度の着工、27年度の完成を目指す。総事業費は4946億円を見込む。

 A棟は地下5階地上40階建て延べ14・6万㎡、高さ212mの規模。同街区には江戸時代に「常盤橋御門」という武家屋敷が広がる起点があったことから、外観デザインには「刀」など伝統的な和の要素を反映した。

 オフィスのほか、店舗や駐車場、3、8階にはカフェテリアやイベント・ミーティングスペースなど新しいスタイルの働く場を設け、地下は東京メトロ東西線の大手町駅コンコースと直結させる。

  C棟は地下4階地上1階建て。変電所のほか、店舗、駐車場で構成。Ⅰ期の工事では3層構成の既存駐車場を2層に変更する。
A棟の完成イメージ

【こちら人事部】奥村組「指導員制度」で手厚くサポート

社員らが登場するウェブ説明会が好評という
 ◇人と関わることに積極的な姿勢重視◇

 1907年創業で、今年111年目を迎えた。土木はシールドや山岳などトンネル建設を得意とする一方、建築は国内初の実用免震ビルを建設するなど「免震のパイオニア」としての地位を築いてきた。

 ゼネコンは、仕事で関わる人の職業や立場が多種多様だ。採用を担当する中村智紀管理本部人事総務部人事課長は、「人と関わることにポジティブな意識を持つ人は、当社で大きく成長する素質が備わっている。人と積極的に関わることができる人に来てほしい」と話す。

 激しい人材争奪戦が続く新卒採用活動で、他社との差別化に知恵を絞る。女性や中堅社員が登場し、仕事の魅力などについて語る動画を、就職サイトや自社の採用ホームページに掲載する「ウェブ説明会」を始めた。働く人の生の声を聞くことができ、就活生からの評判も上々という。

 より多くの学生にゼネコンの仕事の魅力を感じてもらえるよう、施工現場でのインターンシップ受け入れも増やしている。

 「奥村組の強みは『人』。会社のシンボルマークは、人を大切にしたいという思いから『人』を象徴したものとなっている」と中村課長。同社が経営理念に掲げる「堅実・誠実」の姿勢は仕事に対してはもちろん、人への対応にも貫かれる。より良いものづくりの礎を築くため、多様な人材が生き生きと活躍できる環境整備に努めるとともに、人材育成にも力を入れている。

 新入社員研修は、職場でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が基本だ。入社5年目程度の若手社員を指導員に付け、マンツーマンの指導を行う「指導員制度」を採用している。新入社員研修は年4回、入社2~4年目研修は毎年1回、全職種の若手社員を対象に集合研修を実施する。

 研修内容は、目標に対する実施状況の振り返りをはじめ、各種法律や社内制度、安全に関する知識習得、コミュニケーション能力の向上、メンタルヘルスなど、業務を円滑に進めるためのフォロー研修が中心となる。

 職種別の研修のうち、土木・建築職は、将来、工事所長となることを目指す内容で、必要な施工管理能力を身に付けるために測量や歩掛かり、工事写真の撮り方、各工種の内容、施工計画、工程表作成などを段階的に学ぶ。

 事務職は、部署によって仕事内容が大幅に異なるため、入社2~4年目に各部署の業務内容や求められるスキルを学ぶことで、キャリアプランの構築に役立ててもらう。

 就職活動は、実際に自分が働く姿をイメージできるかが重要となる。中村課長は、「働く社員の生の声を聞くことで、パンフレットや雑誌などの表面的な数値・文字情報では知ることのできない企業や仕事内容の実情を知ることができる」と強調。「多くの社会人の話を聞き、自分が生き生きと働く姿が想像できる企業を見つけてほしい」とアドバイスしている。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】 男性73人 女性6人(17年度実績)

 【3年以内離職率】8・3%(14年度新卒)

 【平均勤続年数】 男性18・4年、女性15・4年(17年3月末時点)

 【平均年齢】   43・7歳(17年3月末時点)

2018年2月20日火曜日

【回転窓】旅の効用

旅をすることの目的は? 名所旧跡、温泉、グルメ、レジャー…。人それぞれ、その時々によるだろうが、旅の後、訪ねた国や土地、そこに暮らす人たちに親近感を持つようになることは、意識するしないにかかわらず、旅の大きな効用の一つといえるのではないか▼旅した土地がテレビなどで紹介されればつい目が行くし、大きな災害にでも見舞われれば、身内のことのように心配になる。その国の選手がオリンピックに出場すれば応援したくなるのも人情である▼メキシコ南部オアハカ州で日本時間の17日、マグニチュード7・2の大地震が起きたとのニュースが伝えられた。救援に向かう軍用ヘリの墜落事故もあって多くの犠牲者が出ているという▼ニュースを聞いて、数年前にバスでメキシコを一人旅した時のことを思い出した。安宿や街中で多くの人が親切にしてくれ、今でも連絡を取り合う友人もできた。心配ばかりですぐに現地へ行けないのが歯がゆい▼グローバル化や交通機関の発達によって、旅はかつてに比べてはるかに手軽になっている。訪ねる者と訪ねられる者。互いの理解と共感に、旅の効用は大きい。

【8年連続上昇、最高は富山の98・2%】高校生就職内定率、昨年末時点で91・5%

今春に卒業を予定している高校生の就職内定率が17年12月末時点で91・5%となり、前年同期より0・6ポイント高いことが、文部科学省の調査で明らかになった。就職内定率の上昇・改善は8年連続で、90%台の高水準は3年連続になる。

 文科省によると、企業の採用ニーズが高まっており、建設や製造などの業種で求人が増えているという。

 全国の国公私立高の卒業予定者106万3680人のうち、就職希望者は18万6554万人。うち内定者は17万0726人に上る。

 内定者の内訳を男女別に見ると、男子が0・4ポイント高い92・4%、女子が0・9ポイント高い90・1%。内定率を学科別に見ると、工業96・9%、商業94・9%、水産94・3%の順に高く、対照的に最も低かったのは普通科の85・3%だった。

 内定率を都道府県別に見ると、富山98・2%、島根96・8%、秋田96・7%の順に高く、対照的に沖縄65・9%、東京84・3%、神奈川85・6%の順に低かった。

 高校生の就職内定率調査は厚生労働省も行っている。ただ、厚労省が学校や公共職業安定所(ハローワーク)を介した求職者だけを対象にしているのに対し、文科省は就職を希望する全員を対象にしている。

【都市再生特区で街づくり】さいたま市、大宮駅GCS化構想案策定

ターミナル街区の全体イメージ
さいたま市は、「大宮駅グランドセントラルステーション(GCS)化構想(案)」をまとめた。都市再生特別地区などを活用した街づくりの推進をはじめ、東西自由通路整備を含めた大宮駅の機能高度化や重層的な駅前広場、道路ネットワークの整備などを一体的に進める。今夏に構想を正式決定し、分野ごとに基本計画の検討などを実施。19年3月にGCS化構想の実現案を取りまとめる。
駅前空間のイメージ

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【2022年12月の開業めざす】新県立体育館整備(大津市)、PFI実施方針公表

基本計画(17年3月)で示した施設の配置イメージ
滋賀県は19日、民間活力を導入する「新県立体育館整備事業」のPFI法に基づく実施方針と要求水準書(案)を公表した。現体育館の老朽化に伴い、移転建て替えで新たな施設を整備する事業で、事業方式はBTO(設計・移管・運営)、事業期間は19年10月~37年3月末となっている。

 3月5日にPFI実施方針などの説明会を開き、同23日まで質問・意見を受け付ける予定。順調にいけば、9月の入札公告と19年6月の落札者決定を目指す。基本計画等策定業務とPFIアドバイザリー業務は、みずほ総合研究所が担当した。

 事業は、24年に開催される第79回国体・第24回全国障害者スポーツ大会に向け、施設の老朽化が進む県立体育館(大津市におの浜4の2の12)を移転・建て替え、県民のスポーツ・健康づくりと文化活動の新たな中核施設として整備する目的で計画。建設予定地は大津市上田上中野町。びわこ文化公園都市内にある滋賀医科大学・付属病院の南側に位置し、敷地面積は約11・2ヘクタール。

 計画によると、施設規模は延べ1万4000㎡程度。メインアリーナは面積2760㎡以上、高さ14m以上、観客席5000席以上を、サブアリーナは面積1161㎡以上、高さ12m以上、観客席200席以上を想定している。施設内には多目的室やトレーニング室、キッズルーム、飲食施設などを設ける。また、敷地内には多目的広場や駐車場(常設・臨時で900台以上)などを整備する。
メインアリーナの座席配置イメージ
(新県立体育館整備基本計画より)
実施方針によると、事業方式はBTO。PFI事業者はSPC(特別目的会社)を設立した上で、▽施設整備▽開業準備▽維持管理▽運営(自由提案事業を含む)-の各業務を担当する。事業期間は設計・建設期間が19年10月~22年9月末の3年間、開業準備期間が22年10月1日~11月末(供用開始日は12月1日)、維持管理・運営期間が22年12月~37年3月末の14年4カ月となっている。

 今後の事業スケジュールは、3月5日に実施方針・要求水準書(案)に関する説明会を開催。6月の特定事業選定・公表を経て、9月に入札手続きを公告し、12月に参加表明書を受け付ける予定。19年4月に提案書などの入札提出書類を受け付け、6月に落札者を決定、基本協定を交わす見通し。その後は7月に仮契約、議会承認後の10月に本契約を締結する。

【記者手帖】名前にまつわるエトセトラ

取材先のある企業の広報担当者が皆さん珍しい名字。いずれも初めて出会った名字で、由来を尋ねると何代も続く名家もあった。その企業の技術研究所を訪れると、ここにも珍しい名字がずらり。思わず、「珍しい名字しか採用してもらえないのでしょうか」と聞いてしまった◆新聞表記で頭を悩ますのが外国人の名前だ。企業などから来るリリースで人名がアルファベットで表記されていると、まずは片仮名に直すため読み方を確認する。あくまで日本語的な読み方であり、片仮名表記が難しい発音もきっとあるだろう◆日本人は「姓→名」、外国人は「名→姓」の順が多いと聞くが、カンボジアは日本と同じ並びであるなど、国によって異なる。ミャンマーのように姓がない国もある◆記事では日本人も外国人も最初はフルネームで、次は名字だけ記す。外国人の場合、ファーストネーム(名)とラストネーム(姓)を混同してしまい、デスクに直されていることも多い。名前は人にとって一生使い続ける大切なものだけに、丁寧に扱わなければいけない。(田)

【石井国交相を表敬訪問】ミス日本「水の天使」と「海の日」、広報活動に活躍を

 2018ミス日本の「水の天使」に選ばれたモデルの浦底里沙さん(写真㊧)と、「海の日」に選ばれた大学2年生の山田麗美さんが19日、石井啓一国土交通相を表敬訪問し、今後の活動に対する意気込みなどを語った。

 石井国交相は「国交省(の施策)は水も海もいろいろな関わりがある」と述べ、今後の活動に期待した。

 浦底さんは水の広報官として、各地で開催される下水道関連イベントに参加する予定。石井国交相への表敬訪問では、希望する活動に管路内部など下水道施設の見学を挙げた。体形維持などを目的に、1日3lの水分を摂取しているエピソードも披露した。

 山田さんは、海の日(7月の第3月曜日)を中心に各地で開催される海洋関連イベントに参加し、海洋業界の役割などを発信する。表敬訪問では「海の日が一般的にあまり認識されていないように思う」と話し、祝日として制定された経緯の普及啓発活動に意欲を示した。