2018年2月13日火曜日

【投資的経費10・3%増】東京23区、18年度予算案出そろう

 ◇公園整備にPark-PFI制度活用◇

 東京23区の18年度当初予算案が9日、出そろった。一般会計の総額は前年度比3・2%増の3兆7777億33百万円。投資的経費の総額は10・3%増の5240億90百万円と、16区で増額となった。

 喫緊の課題である待機児童対策や学校施設の増改築、高齢者福祉施設の整備に配分ウエートを高める傾向が継続。老朽化した本庁舎の改築による行政機能の充実を目指す区や、Park-PFI制度を活用した公園整備を検討・推進する区も目立つ。

 投資的経費の伸び率が50%を超えたのは墨田区(56・9%増)、千代田区(54・3%増)、豊島区(53・0%増)の3区。墨田区は東武伊勢崎線立体化や2020年東京五輪の競技会場となる国技館の周辺道路の景観整備などが要因となった。千代田区は18年度開設に向けて工事が最盛期を迎える九段小学校・幼稚園の建設、豊島区は旧庁舎・公会堂跡地で民間企業と開発する「ハレザ池袋」内の新ホール整備や公園の創出などに積極的に投資する。

 このほか練馬区(43・5%増)、大田区(42・8%増)、荒川区(38・7%増)、中野区(33・7%増)、北区(23・0%増)、足立区(15・9%増)、目黒区(12・0%増)の7区が10%以上の伸び率となった。

 中央、北、中野、世田谷、葛飾の5区は老朽化した庁舎建て替えで計画や設計を固める。中央区は建設候補地や施設規模などを盛り込んだ基本方針、北区は基本計画を策定。再開発組合が建設したビルへの庁舎移転を計画している葛飾区は、組合がまとめる基本設計を踏まえ、庁舎内のレイアウト案を検討する。世田谷区と中野区は基本設計を進める。

17年6月施行の改正都市公園法で創設されたPark-PFI制度を活用した公園整備を検討・推進する区も目立った。

 豊島区は造幣局東京支局(東池袋4の42)跡地での防災公園整備に同制度を採用。実施設計・施工・管理運営を一体的に担う事業コンソーシアムが18年度に実施設計をまとめる。江東区と新宿区は同制度の活用を検討している段階。江東区は若洲公園(若洲3の2の1)再整備事業で導入に向けた調査を実施する。

 新宿区は新宿中央公園(西新宿2の11)への民間施設導入を検討しており、同制度を活用する場合は同年度に整備・運営事業者を公募する見通し。江戸川区も総合レクリエーション公園の再整備に同制度の活用を検討しているが、予算計上は見送った。

 各区とも待機児童の解消を目指した保育所の拡充、学校の新設や老朽化した校舎の改築・増築、高齢者施設の整備に重点を置いている。北区は小学校2校と中学校1校を統合する区内初の施設一体型小中一貫校の基本設計に着手。小・中学校6校で改築に向けた工事や設計、調査を展開する。渋谷区は複合型の高齢者施設「恵比寿西二丁目複合施設(仮称)」と「高齢者ケアセンター跡地複合施設(仮称)」の建設を開始する予定だ。

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