2018年2月26日月曜日

【建設業の心温まる物語】豊建(愛知県)・水野陽介さん

 ◇早く手術して現場に戻ってこい◇

 入社して 1~2年のころ、まだ現場管理がどういう仕事なのかよく分からないまま、現場の職人さんにいろいろな迷惑をかけながら仕事を続けていました。そして3年目になるころ、私の左足大腿(だいたい)骨の中に腫瘍が見つかりました。

 治療のため、現場管理の仕事からは離れて社内での業務がメインとなりました。病気の治療がはじまり、松葉づえ生活になってしまいましたが、すぐに治癒し現場復帰するものだと思っていました。しかしそんな生活が2年、3年と長くなると不安がつのってきました。そして現場管理の仕事にブランクができたことで、現場に戻ることが怖くなってきました。 

 松葉づえ生活をはじめて4年がたったころに治療の進展がこれ以上見込めないとのことで手術を行うこととなりました。腫瘍が転移してしまえば足の切断もありえるとのことだったため、不安でいっぱいでした。

 手術のため入院した際、知らない番号から電話がかかってきました。だれだろうと思いながら出てみると、5年前に一度仕事をした職人さんの声が聞こえてきました。

 「早く手術して現場に戻ってこい」。そのぶっきらぼうな、しかし温かい声に、涙が出るほどうれしく思いました。その言葉を聞いて、不思議なくらい元気と勇気が湧いてきました。現場復帰への不安はなくなり、「なんとしても足を治して現場へ戻るぞ」と決意することができました。無事手術は終わり、今では現場復帰し元気に働いています。

 その職人さんにはいまだに迷惑をかけてばかりです。しかし、いただいた電話のご恩を返すためにも、お役に立てるような施工管理技術者になる決意です。

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