初対面の方とのインタビュー。その日の取材が期待通りの成果を上げられるか否か、開始数分でおおよその判断が付くことが多い▼聞き手側の技量によるところが大きいのだが、双方の間の「空気」が直感的にそれを感じさせる。お互いの相性もあるだろうし、後半になるほど多弁になる方もおられるので一概には言えないものの、成否は既に冒頭で決している▼「きょうは駄目そうだ」となった場合に、冷や汗をかきつつも、何とか挽回しようと奮闘することも記者に求められる能力ではあるのだが▼先日、ある建設会社の営業マンからこんな話を聞いた。客先との連絡が携帯電話とメールで行われるようになって以降、営業所内の固定電話の鳴る機会がめっきり減った。その影響か、電話を取り次ぐことが少なくなった内勤の事務職員が相手先の会社名や担当者の名前を覚えられなくなったそうだ▼以前は電話越しの先方の声色から、営業マンが担当する仕事の進み具合や懸案事項の有無まで察することができたという。情報機器が発展しても、仕事を円滑に進める上で重要な要素となる「空気」を読み取る感性は失いたくない。
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