2018年2月9日金曜日

【70階建て350m、2041年の実現目標に】住友林業、木造超高層ビルの研究始動

超高層木造建築物の俯瞰イメージ(提供:住友林業)
 ◇日建設計が設計協力◇

 住友林業は8日、高さ350メートルの木造超高層建築物の実現を目指す新たな事業構想を明らかにした。付属研究機関の筑波研究所が中心となり、木造超高層建築の実用化に必要な建築構法や環境配慮技術、使用部材などを検討する。木材と鋼材を組み合わせた柱・梁などを活用し、同社が創業350周年を迎える2041年までに木造超高層建築を具現化する。設計協力を日建設計が手掛ける。総工費は6000億円と試算している。

スカイロビー㊤とティンバー・インターフェースのイメージ(同)
 同構想は「W350計画」。18万5000立方メートルもの木材を使った超高層建築物の実現を目指す。建物に使った木材は、一定期間を経た後、一部を取り換えてメンテナンスを施す。除去した木材は住宅用の柱や梁などに再加工・利用したり、新たな木質建材の原料にしたりして循環利用する。

 建物には、9割の木材と1割の鋼材で構成する「木鋼ハイブリッド構造」を採用。柱・梁とブレースで筒形の殻(ブレースチューブ)を構成する構造システムを取り入れる。柱や梁などで組まれた軸組みに、対角線状にブレースを配備し、地震や風など横から加わる力で建物が変形するのを防ぐ。

木造超高層建築物の全体イメージ(同)
 施設の高さは350メートルで、施設規模は地上70階建て延べ45万5000平方メートル。完成後は店舗やオフィス・ホテル、住宅などが入る。国内では、手入れが行き届かず放置され、荒廃した森林が多く存在している。計画が実現すれば、木材の再利用や林業の活性化など多くのメリットが期待できる。

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