北海道は20日、道庁赤れんが庁舎(札幌市中央区)のリニューアル基本指針素案を公表した。老朽化した赤れんが庁舎の改修に当たり、改修後の庁舎の活用方針や各フロアの機能・構成のほか、PPP・PFIを含めた管理運営手法の検討方針などを示した。概算事業費に78億円を試算。18年度に実施設計、19年度に着工し、22年度の完成を予定している。
札幌市中央区の北海道庁敷地内に立つ赤れんが庁舎は、れんが造地下1階地上2階建て延べ5004平方メートルの規模で、1888年12月に当時の北海道庁本庁舎として竣工した。1968年に復元改修工事を行って以来、屋根や外壁、空調・配管設備などの補修が行われてきたものの、大規模な改修を行っておらず、内外部とも老朽化が著しいことから、重要文化財指定時の仕様を基本とした修復や耐震化、バリアフリー化を含めた改修を行う。
現状は行政庁舎や北海道の歴史などを伝える展示、コンサートの文化発信の場として活用しているが、改修を機に館内の展示や活用方法を全面的に見直し、北海道の文化・観光情報の発信拠点施設として施設の魅力向上を図る。
各フロアの機能・構成を見ると、2階は「歴史と文化のフロア」として、重要文化財としての赤れんが庁舎の価値や北海道の歴史文化・自然景観の魅力などについて展示する。各種レセプションやコンサート、結婚式など多目的な用途に利用可能な催事スペースも設置する。
1階は「地域情報とにぎわいのフロア」をテーマに道内各地の観光情報を発信するほか、地域の名産品の販売を行う物販店舗や北海道の食文化を楽しめる飲食スペースなどを設置。地階は「創造と交流のフロア」と位置付け、官民・企業間などの意見交換や交流、起業支援、アートなどの各種創作活動に利用できるスペースやカフェスペース、絵画や写真の展示会などに利用できる企画展スペースを設け、さまざまな道民活動を支援する。
庁舎のシンボルともなっている八角塔は、展望体験を含めた建築観察ツアーなど屋上バルコニーからの眺望を活用した体験プログラムなどへの活用を検討することとしている。
リニューアル後の管理運営体制については、コンセッション(公共施設等運営権)方式や指定管理者制度など民間事業者のノウハウで、自立性の高い運営が可能となる手法を導入する方針。今後PPP/PFI手法による効果を比較し、管理運営手法などの選定に必要な条件を検討する。展示構成案や管理運営手法は18年度に検討し、年度内に基本方針を決定する。
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