国土交通省は26日、有識者で構成する「冬季道路交通確保対策検討委員会」(委員長・石田東生筑波大特命教授)を立ち上げ、東京都内で初会合を開いた。
大雪に見舞われた福井県内の国道で車両が長時間立ち往生したのを教訓に、効率的な除排雪の手法を探る。除雪機械のオペレーターの確保策も検討する。4月に提言の「中間取りまとめ」を行ってもらう。
同日の初会合であいさつした国交省の石川雄一道路局長は、「今冬の大雪で立ち往生車両による渋滞が発生し、改めて豪雪時の道路交通確保の課題が浮き彫りになった。委員の皆さまには忌憚(きたん)のない意見をいただき、今後の対応を考えていきたい」と呼び掛けた。
1月下旬には首都高速道路の中央環状線山手トンネルで約10時間にわたる立ち往生が発生した。今月上旬には福井、石川両県を結ぶ国道8号で最大約1500台を巻き込んだ立ち往生が発生し、解消までに3日間かかった。そこで国交省は、今回設置した有識者検討委で立ち往生によって浮き彫りになった課題の解決策を検討することにした。
初会合では、国交省と有識者委が今後の主な検討課題として、▽道路管理者の責務▽除雪体制の増強▽融雪装置や待機所の整備▽効率的な除排雪手法▽ICT(情報通信技術)の活用▽降雪前後の時系列化した防災行動計画(タイムライン)の策定-などを確認・共有した。
このうち、国交省はICTを活用した除雪機械の自動運転技術の開発を進めている状況を報告した。
さらに、抜本的な課題として福井県の除排雪作業で交代要員不足や待機中の健康確保といった課題が浮き彫りになった除雪機械のオペレーターの不足を指摘した。その裏付けとして、全国的に除排雪作業に携わるオペレーターの高齢化や建設会社の減少が進んでいる国や地方自治体の統計データを紹介した。
国交省は道路の豪雪対策を有識者委に提言の中間とりまとめを行ってもらう4月以降も検討する予定だ。
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