2018年2月13日火曜日

【記者手帳】城は人を引きつける

群馬県沼田市で、沼田城の天守再建を目指す活動が活発化している。地元の観光や経済の関係者を中心とした「沼田城を造る会」が16年に発足。PR活動を進めている◆沼田城は関東地域で江戸城を除けば唯一、5層の天守を有していたとされる。地元は天守を再建することで、北関東を代表する観光スポットにしたいと意気込む。16年に放映されたNHK大河ドラマ『真田丸』にあやかり、全国的に高まった知名度を生かしたいという◆天守の再建を目指す活動は全国で展開されている。城の存在には人を引き付ける何かがある。姫路城がある兵庫県姫路市の出身ということもあり、城がない街を歩いても、「どこが街の中心なのか」と思ってしまい、何か物足りなさを感じてしまうことも。宿場町や門前町などをルーツとする街もあるので、多様性を否定するつもりはないが◆天守を木造で復元しようとする動きも盛んになってきた。木造天守が実現すれば、相当量の地元産木材の利用も見込まれ、地域経済の活性化につながる。伝統的な技術を継承していく場にもなるだけに、文化面での地域創生の期待も大きい。(巳)

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