スペインで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)。2~15日の会期中、日本は非政府組織(NGO)から地球温暖化対策に後ろ向きな国に贈られる「化石賞」を2回も授与された▼1回目は梶山弘志経済産業相が「石炭火力発電など化石燃料の発電所は選択肢として残していきたい」と発言したため。2回目は小泉進次郎環境相が「石炭政策について新たな展開を生むには至らなかった」と具体的な削減策に踏み込まなかったからだ▼2017年度の電源構成をみると、日本は液化天然ガス(LNG)火力39・8%、石炭火力32・3%。東日本大震災以降、原子力発電所がほぼ稼働していない状態で、化石燃料発電への依存が高まっているのは事実だ▼日本だけが石炭依存度の高い、環境分野の発展途上国なのだろうか。石炭依存からの脱却を主張する環境先進国と呼ばれる国でも現時点で日本以上に石炭依存している国は多い▼日本への批判は明確に目標を設定しないからで日本の環境技術が劣っているわけではない。自然と人間の共生といった日本の文化や思想に基づくものづくりには誇りを持ちたい。
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