2019年12月13日金曜日

【ウィン・リゾーツ、15日に事務所開設】海外IR大手、横浜舞台にしのぎ削る

山下埠頭の全景(提供:横浜市港湾局)
 世界でカジノを含むIR(統合型リゾート)事業を展開するウィン・リゾーツ(米ネバダ州、マット・マドックス最高経営責任者〈CEO〉)は15日、日本進出の拠点となるオフィスを横浜市内に設立する。IR事業の進出候補地として「横浜」にフォーカスし、経営資源を投入する方針だ。

 海外IR大手では、9月にメルコリゾーツ&エンターテインメント(香港)が横浜オフィスを開設している。ラスベガス・サンズ(米ネバダ州)は「東京と横浜の開発機会に注力する」と発表。マカオに拠点を持つギャラクシー・エンターテインメントも横浜を候補地の一つに挙げている。横浜市が誘致を表明している山下ふ頭(中区)でのIRプロジェクトに、世界から熱視線が注がれている。

 ウィン・リゾーツは昨年12月、日本進出に向けてウィン・リゾーツ・デベロップメント・ジャパン(クリス・ゴードン代表)を設立した。東京都千代田区に開設を予定していたが、候補地を横浜に絞ったため変更した。オフィスの所在地は西区みなとみらい2の2の1(横浜ランドマークタワー18階)。

 同社は横浜が持つ文化や歴史、観光などの資源を高く評価。世界有数のMICE(国際的なイベント)施設、ビジネスツーリズムの目的地として高い可能性を秘めていると判断した。3月に同社が開いた会見ではマカオ、シンガポール、ラスベガスなどの施設よりも規模が大きい「現時点では世界最大規模のIRになる」としていた。初期投資は約8950億~1兆円になるとの見通し。

 マッド・マドックスCEOは「目指すIRは世界から観光客を呼び込む日本のショーケースになる」と意欲を示す。クリス・ゴードン代表は「今後はオフィスを起点に自治体や企業、市民らと対話を重ねたい」と地域との連携をアピールした。

 □IRアドバイザリー業務をEY新日本有限責任監査法人に委託□


 横浜市は「横浜IR(統合型リゾート)に関するアドバイザリー業務」委託の公募型プロポーザルでEY新日本有限責任監査法人と2億1691万2960円(3カ年合計、税込み)で契約した。契約日は11月29日。プロポには同社だけが参加した。

 業務内容は▽横浜IRの競争力強化に向けた戦略検討▽開発条件・事業実施条件の検討支援▽応募条件・事業枠組み等の検討支援▽公募プロセス等の検討支援▽実施方針の作成・公表支援-など。履行期限は2022年3月31日。

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