30年前の話。先輩記者に誘われ東京ドームで都市対抗野球を観戦した。当時野球部があった熊谷組からチケットを頂き、応援に出掛けた▼対戦相手も勝敗も覚えていないが、今も二つだけ記憶に残っていることがある。一つは熊谷組の社員の人たち。熱気のこもった一体感のある応援で、ついつい一緒に声を張り上げた▼もう一つは一塁側スタンドの応援席から少し離れた場所で当時社長だった熊谷太一郎さんと奥さまが一緒に観戦していたこと。奥さまと会話されながら和やかに応援されていた姿を見て「野球好き」の印象を受けた▼太一郎さんが社長に就任したのは1978年。その後19年の長きにわたり社業や業界の発展に尽くされた。ただ、その間はバブル経済崩壊を境に建設産業の発展と、その後の低迷という激動の時代でもあった。会社の興隆と苦境を一身に背負い、多くの苦労をされたことだろう▼その太一郎さんが今年6月に他界された。9月の「お別れ会」には多く関係者が駆け付け別れを惜しんだ。今年も社業の発展に尽力された多くの方が逝かれた。年の瀬にその方たちをゆかしく思い改めて手を合わせたい。
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