記者の仕事は情報を正確に伝えることが第一だが、うまい文章を書く以前に相手の話をしっかりと聞き理解する必要がある。時には相手にとって好ましくない話も聞かなければならない。邪険に扱われることもあるが、そんな時こそ誠実に向き合うことが必要になる◆先日、町長インタビューである町を訪れた。以前に専門紙の取材で意図しない記事が掲載されたとのことで、当初は警戒され渋々受けてもらった。だが当日は気さくに話が聞け、取材時間は予定を大幅に超えた◆インタビューが終わり、取材を調整してくれた副町長から丁寧なあいさつを受けた。その時「建設業のことはあまり知らない」と言いながら、地元高知の企業の話をひねり出してくれた。たまたまその企業を取材した経験があり、その時の話で少し盛り上がった◆後日、副町長からはがきが送られてきた。取材に対する心のこもったお礼が、人柄を表すような達筆で記されていた。高知県出身者は私の中で「誠実で温かい人柄」とインプットされた。取材に応じてくれた町長の記者に対する印象も、良いものに書き換えられていればいいのだが。(堀)
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