2016年3月1日火曜日

【開通へ一歩前進】釜石山田道路・大槌第2トンネル貫通

 三陸沿岸道路の一部を構成する釜石山田道路区間で最長のトンネルとなる(仮称)大槌第2トンネルが2月26日、貫通式を迎えた。発注者は東北地方整備局南三陸国道事務所。国道45号大槌地区トンネル工事として前田建設が施工している。

 大槌地区トンネル工事は岩手県大槌町大槌地区から吉里吉里地区にかけてトンネル、道路改良、橋梁下部工事を進めている。

 13年11月に大槌第2トンネル(延長2043メートル)に着工。続いて14年7月に大槌第1トンネル(仮称、延長256メートル)の工事に着手し、15年2月に第1トンネルが貫通した。

 このトンネル工事現場では品質向上をテーマに掲げた。前田建設の萬正巳所長は「山岳トンネルに、明かりで行うコンクリート打設の品質を求めた。クラウン部の水平打設、コンクリート充填(じゅうてん)圧のセンサー管理、天端部の締め固めシステムを用い、覆工背面の空洞や締め固め不足、コンクリート流動時の材料分離をなくした」と話す。

 セントル脱型後は同社のフリードーム工法を採用し、エアーマットによる長時間養生を施してコンクリートの乾燥収縮防止を図った。これらの工程により、品質向上とともにトンネル自体の高い耐久性が実現している。

 同社東北支店の青木敏久執行役員支店長は「三陸沿岸復興という意義深い事業にかかわる責任を果たし、品質の高いトンネルを完成させなくてはならない」と述べた。

 地元で工事を見守る大槌町の平野公三町長は「大槌第2のトンネル延長は、工事中の釜石山田道路区間の5分の1を占めると聞く。そのトンネルが貫通したということは、工事が進んでいることを実感させてくれる」と語った。

 南三陸国道事務所の佐藤和徳所長は「釜石山田道路では3月20日に釜石トンネルの貫通式が控えており、16年内には小鎚トンネルの貫通も見込める。開通へのハードルを一歩ずつ越えられるのは、工事施工者の人力と、地域の人々のご理解とご協力の成果に他ならない」とあいさつした。

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