2016年3月8日火曜日

【回転窓】エスカレーターを歩くのは右か左か

よく聞く話に、駅などのエスカレーターで歩く人のために開けておくのは東京では右側、大阪では左側というのがある。なぜか。哲学者の鷲田清一さんが少し前にラジオ番組でこんな自説を披露していた▼東京と大阪ではエスカレーターという機械の効用に対する捉え方が異なり、東京は「楽をする(歩かずに済ます)ための装置」、大阪は「作業を効率化する(歩く速度を上げる)ための装置」と考える人が多い。それぞれこの多数派が左側を占めるとすれば…▼効率派が主流とはいかにも商都・大阪。平らなエスカレーターともいえる「動く歩道」が国内で初めて登場したのが大阪という傍証も。阪大の総長も務めた鷲田さんの説だけに説得力も十分▼と考えつつ大阪出身の同僚に尋ねてみたら、返ってきた答えは意外にも「楽をするための装置」。やはり大規模なアンケートでもしないと鷲田説の真偽は確認できないようだ▼ともあれ、東京でも大阪でもエスカレーターを歩く行為はあまり安全とはいえない。近ごろはスマホを見ながら駆け下りる人もいるからなおさら危なっかしい。急いでもけがをせぬよう。

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